松之山には“日本の棚田100選”に選ばれた「狐塚の棚田」をはじめ、「耕して天に至る」と形容される美しい棚田の景観がいたるところにあります。この地域では昔から、豪雪のもたらす豊富な雪解け水を蓄えて棚田を潤し、稲作をしてきました。
また、松之山には「天水越のブナ林」や「美人林」に代表される美しいブナ林が数多くあります。この地域においてブナ林は家屋や水田の周囲などで身近に見られる里山林であり、雨や雪解け水を蓄える水源林、燃料を得るための薪炭林、そして山菜・木の実・きのこなどをもたらす恵みの森となって人々の暮らしを支えてきました。山では5m以上、里山では2.5mもの平均積雪となる松之山。春になって溶け出した雪解け水は、ブナ林などの森に浸透し、湧き水となって溜池や棚田を潤します。

<棚田はダム>
棚田はダムと同じような働きがあります。あぜが水をためて大雨が降っても洪水やてっぽう水が起こらないようになっており、山の斜面には小さな「ミニダム」がたくさんあるとも言えます。

<地すべりを防ぐ>
棚田は水をためて土砂の流出や地すべりを防ぐだけでなく、荒れてしまうと、乾いた地面に水が入りこんで、地すべりを起こす原因の一つにもなってしまうのです。

<水や空気をきれいに>
棚田は「ろ過フィルター」の役目もします。汚れやばい菌は、棚田を通って地下にしみこんでいく間にろ過され、稲は酸素を吐き出し、空気をきれいにしてくれます。

<棚田の風景は心がなごむ>
その他水田から水がゆっくり蒸発するおかげで、気温が調節され、棚田の風景は見る人の心を和ませてくれ、都市に住む人たちとの交流の場ともなっています。さらに、棚田はたくさんの生き物たちを育んでいる場でもあります。

このように、ブナ林などの森と棚田のつながりは、お米以外にも様々な恩恵をもたらしてきました。多種多様な生き物を守り育てる生物多様性保存機能、水を蓄えて洪水を防ぐ水源涵養(かんよう)機能、地すべりや土壌浸食を防ぐ土砂災害防止機能、訪れた人の心を癒す保健文化的機能など、様々な公益的機能をもつ地域の宝物となっています。

 

 

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