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全面サビ覆われてた世界的にもユニークな博物館! キョロロが挑戦する地域づくりとは?

[ キョロロについて ]

サビ(耐候性鋼板)に覆われたミュージアム

「サビが守る160メートルのヘビ!?」

「森の学校」キョロロは、2003年7月に「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」に伴い松之山町立(合併後十日町市)の施設として開館しました。300件の公募から選ばれた手塚貴晴+手塚由比両氏の設計による、長さ160メートル、重さ2000トンの耐候性鋼板(コールテン鋼)製の建築物です。

緑に囲まれたキョロロ

▲ 森に囲まれたキョロロ

建物表面の赤茶けた色は、耐候性鋼板特有の「錆び」の色です。通常の鉄の錆びと異なり、この鋼板の表面は硬く錆び鋼材と密着することで保護膜となり、内部の腐食化を抑えます。このため外壁のメンテナンスがほとんどいらず、まさに錆びが建物を守っていると言えます。この耐候性鋼板特有の錆びの色は年月を重ねると共に装いを変え、深みをおびた茶色の模様を表します。キョロロは全面が耐候性鋼板で覆われている世界的にも非常にユニークなミュージアムです。

耐候性鋼板で覆われているキョロロ

▲ 耐候性鋼板で覆われているキョロロ

▲ 耐候性鋼板の中から塔を見る

キョロロが建設される前はここは棚田であり、この棚田の畦道の形にそってヘビのような平面形態が作られました。また、キョロロは参加体験型の博物館として「何かを発見する」ための空間とするため、道をたどるような形の建物となりました。その結果、屋根と外壁が一体化したチューブ状でヘビが鎌首をもたげたような形になったと言われています。

ヘビのような形のキョロロ

▲ 上空から見るとヘビのような形のキョロロ

世界有数の豪雪地帯に位置するキョロロは、地上10階建てに相当する高さ34mの塔が、まるで潜水艦のように雪の中から首を出すように見えます。5メートルの積雪重(1.5トン)を想定され造られており、そのために1枚4000キロ、幅14センチにもなる大きなアクリル窓や、屋根には巨大な荷重がかかります。例年2月頃になるとアクリルの大窓は屋根から落ちてきた雪で塞がれ、大迫力の雪の壁に様変わりします。

ふんわりと雪に覆われたキョロロ

▲ ふんわりと雪に覆われたキョロロ

キョロロ内部から

▲ 14センチのアクリルの大窓から外を見る

さらに、外壁は全溶接の鋼板で出来ており、表面温度は年間を通じて80度近くも温度差があり、夏と冬で20センチ近くも建物の長さが変わります。このような変形に対して、建物は完全に基礎に固定されておらず、建物形状を活かした変形をさせることで、その温度変化に対応させています。暑い日、熱で膨張した鋼板が館内外に大きな音を響かせる時があります。まるで建物が生きているかのように、キョロロは気候に応じて伸び縮みを繰り返しています。

キョロロの塔と子ども達

▲ キョロロの塔と子ども達

森の中に突如現れる、長さ160メートルの鋼鉄製の蛇。周辺の里山の景色に溶け込み、「建築」自体が風景を形成するがごとく、自然と一体となった「風景としての建築」を体現しています。

▲ 里山の風景にとけ込むキョロロ

風景としての建築

▲ 風景としての建築


2002年  エコビルド賞
2003年  日本建築学会作品選奨
2012年 「観ておきたいニッポンの名建築50選」(Discover Japan)