Archive for 1月, 2023

【雪里の小正月の伝統行事】若木迎え・どんど焼き・花餅飾り2023

日曜日, 1月 8th, 2023

小正月の伝統行事イベント「若木迎え・どんど焼き・花餅かざり」を1/8(日)に開催しました。
新年の恵みを祈り、家内安全・無病息災を祈る、雪里松之山の小正月の伝統行事です。
キョロロでは自然のめぐみを展示やイベント、研究活動等様々な博物館活動に活用しています。自然のめぐみに感謝する小正月の伝統行事を、毎年参加者と地域の皆さんと共に継承し開催しています。
皆様に一刻も早く平穏な日々が訪れますよう、雪深い松之山からお祈り申し上げます。

まずは「若木迎え」をキョロロの森で行いました。みなさんスノーシューを装着して、さぁ出発です!


若木迎えは約40~50年ほど前まで松之山の各集落で行われてきましたが、薪を燃料として使わなくなった現在では行われなくなり、地域内で
一度途絶えた伝統行事です。
今では市史、町史などでしか垣間見ることができないこの伝統行事ですが、キョロロでは体験イベントとして復活・開催し、住民と参加者との交流を通して継承しています。

積雪約2mの雪深い山に分け入り、その年の恵方(今年は南南東やや南)に向かい祭壇を作り、旧年の感謝と新年の恵みを祈念しました。


その後、周辺の若木、枝を伐りました。
若木迎えは「木伐り正月」とも呼ばれ、1/11~14の間に行われることが多かったそうです。

若木迎えで伐ってきた枝を囲炉裏で燃やして煙を浴びると若返る、体が丈夫になるという言い習わしがあります。
キョロロでは伐ってきた木を、藁でつくった賽の神に刺し入れ、いっしょに燃やします。


年男年女のみなさんや子どもたち中心に点火していただき、豪快に燃え上がるサイノカミです。
カラムシの茎でつくった「トボシ」を使って、火を分け点火します。



今年も豪快に炎に包まれ、藁もきれいに燃え落ちました。
けむりと共に舞い上がった黒い藁の燃えカスが、雪の上に刺さると不作、横に落ちると豊作という言い習わしがあります。
今日の燃えカスは全て横向きに落ちてきましたので、今年は豊作間違いなしですね!

その後館内に移動し、花餅かざりを作りました。
今年も5色の花餅を用意しました。雪に覆われ花のないこの時期に行われてきた小正月の伝統行事です。

まずは参加者全員でダンゴの木(ミズキ)の枝先に花餅や飾りの煎餅を飾り、展示用の花餅飾りを作りました。
その後、お持ち帰り用の花餅飾りをご家族ごとに作りました。



立派な花餅飾りが完成しました!
たわわな花餅ですね!


枝いっぱいについた花餅に、皆さんの笑顔がこぼれます。
館内はまるで花が咲いたような晴れやかな雰囲気になりました!

事前準備には友の会の皆さまからご協力いただきました。大変ありがとうございました。
新型コロナウイルス感染拡大防止策として規模縮小や制約がある中でしたが、今年も無事に小正月の伝統行事体験イベントを開催することができました。
良い年になりますよう、雪深い松之山からお祈り申し上げます。

【世界でキョロロだけ⁉】雪が展示物になるミュージアム

木曜日, 1月 5th, 2023
\キョロロ、埋まりつつあります/
館内のアクリルの大窓からは、屋根から落下してきた大迫力の雪庇や雪壁を内側から観察することができます。
現在発達した雪庇がズドーンと落下を繰り返し、窓が徐々に埋まりつつあります。この時期だけのキョロロの風物詩です!
雪壁を館内から観察できるのは豪雪地のミュージアムならでは!世界でもキョロロだけでしょうか?

館周辺は現在雪庇の発達と落下が進行中のため、スノーシューご利用時は近寄らないようご注意ください。
キョロロの建物の脇を通るルートは、現在雪庇落下の危険のため閉鎖しております。美人林に向かわれる際は、車道(三叉路)からアプローチください。
※レンタル時に注意喚起させていただいております。

合わせて、美人林内の池は冬季間水面は雪に覆われ窪地のように見えます。
注意看板を設置して、注意喚起を実施しております。
非常に危険ですので、池には近づかないようお願いいたします。

【ブナをすり抜け進む】New Year スノーシューハイク

月曜日, 1月 2nd, 2023

新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年最初の自然体験イベント「New Year スノーシューハイク」を1/1(日)、2(月)に開催しました。

例年よりも少なめの積雪の中、両日とも美人林を会場にスノーシューハイクを楽しみました!


雪の上に寝転び見上げるとフワフワと雪が舞い降りる森の天井が見えます。
視界にはブナだけ。森を独り占めです!

クロモジの香りや冬芽を観察しだり、笑った顔に見えるオニグルミの葉痕を観察したり、冬ならでは植物の様子も観察しました。
見通しがきくこの季節は、美人林のブナの幹や枝ぶりもくっきりと観察できます。

普段見上げる高さにある幹も、今は目の前に。
幹の地衣類や地衣類を食べたヤマナメクジの食痕なども観察できました。

美人林の池の表面はシャーベット状です。

雪の上にオレンジ色に着色した、まるでかき氷のような部分を発見。
発情期のトウホクノウサギのメスのおしっこです。甘酸っぱい香りもみんなで嗅いでみました。


両日ともスノーシューでブナの木々の間をすり抜け歩きながら、冬ならではの森の表情を楽しむことができました!