Archive for 2月 19th, 2023

珍鳥「カヤクグリ」松之山で初確認

日曜日, 2月 19th, 2023

今月2月1日に、松之山温泉の旅館から「窓ガラスに衝突した野鳥が落ちていた」とご連絡いただき、松之山野鳥愛護会と確認したところ、これまで松之山では記録がなかった「カヤクグリ」だとわかりました。
カヤクグリ(イワヒバリ科カヤクグリ属)は高山や亜高山帯で繁殖し、冬季には低山や丘陵地にも飛来する日本特産の野鳥です。名前の由来は、冬季は茅(ススキなど)に潜むように暮らし、姿を見せず藪の下を潜ることに由来するとのことです。全体的に(特に上面)こげ茶色、下面は灰黒色で、頬に細かな白斑があります。
松之山野鳥愛護会によると、1981年からの松之山での記録種数は今回のカヤクグリの確認で149種となりました。

この個体は、全長14㎝、翼開長22㎝、体重22.6gでした。

【市民協働調査】2月の雪虫しらべの報告

日曜日, 2月 19th, 2023

先日の2月18日(土)、午後1時半からキョロロの森の雪上に出現する昆虫やクモを調査する市民協働調査、「雪虫しらべ」を開催しました。
天候は曇り、積雪深は235cm。当日の午前中は気温が高く、調査開始時点では気温が約10℃でしたが調査中に気温が低下し、調査終了時には約7℃になっていました。

スノーシューと雪虫を捕まえるための吸虫管の準備をして出発すると、さっそくキョロロの建物の傍で体が丸いトビムシの一種、コシジマルトビムシが見つかりました。

キョロロの森の中では大量のクロユキノミとサヤツメトビムシが雪上を闊歩しており、吸虫管を使ってそれらを捕まえました。

この時期にはちょっと珍しい、クモガタガガンボ属の仲間も見つかりましたが、残念ながら既に死亡していました。

ユスリカの仲間の雌雄ペア。メスは逃がしてしまいましたが、雄は何とかゲット!持ち帰った個体を調べた結果、ヤマユスリカ亜科の一種(タカタヤマユスリカ?)であることが分かりました。

調査途中ではウサギの足跡やその糞・尿、オオアカゲラや、カビ(アリタケ?)に寄生されたトゲアリ、イラガの繭なども観察でき、雪虫以外にも雪上の様々な生物の営みを感じることができました。

1時間半ほどキョロロの森で採集した後、キョロロ館内に戻って採集した雪虫をデジタル顕微鏡で観察・同定しました。

同定の結果、今回の調査では3目6 科8種の雪虫を見つけることができました。
調査前日までは暖かい日が続いたためもっと多くの雪虫が出現することを期待したのですが、調査中に気温が下がったためかあまり大型の雪虫を観察することはできませんでした。
今年度の雪虫調査は残すところあと1回、3月18日に開催します。春も近づいていることなので、次回の調査ではより多様な雪虫の出現を期待したいと思います。

【出現した雪虫】
クモ目

   1.シロブチサラグモ
トビムシ目
   2.クロユキノミ
   3.サヤツメトビムシ
   4.コシジマルトビムシ
ハエ目
   5.ヤマユスリカ亜科の一種 ♂
   6.エリユスリカ亜科の一種 ♀
   7.クモガタガガンボ属の一種 ♀
   8.ハエ目の一種 (幼虫)