【SDGs】間伐木はお父さんと同い年-里山の生き物サポーターズ-

キョロロでは今年度から、里山管理活動と連動した市民参加型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」をスタートしました。第4回目(8/29)は荒廃したスギ人工林やその周辺の間伐を行い、間伐材を集め昆虫の産卵床や隠れ家(昆虫ハウス)を作るイベントを開催しました。

今回の作業場所は林縁にタニウツギやリョウブ、ウリハダカエデといった低木が茂りった杉の人工林の一部です。
低木伐採は燃料の確保のために行われてきた伝統的な里山管理で、松之山では「ボイ伐り」と呼ばれています。燃料として森林資源をほとんど使わなくなった現在、キョロロの森の中にもこういった管理が停止した低木の群落が多く見られます。低木伐採により林床の光環境が改善することで、林床を生息環境とする様々な植物の成長を促す効果もあります。
今回は林縁&林内の低木と、手入れのされていないスギ人工林内のスギや枯れた立木を伐採の対象としました。

最初に作業場所で今回の目的・作業内容を参加者の皆さんと共有しました。

その後、各々ノコギリを持ち、伐採を行いました。今回はフジのツルも多く見られました。

今回は2本の高木(クリ・スギ)を伐採しました。これらを玉切りした丸太も含めて、積み上げ「昆虫ハウス」を作りました。
様々な樹種や太さ、腐朽段階という資源に、どんな生き物たちが集まってくるのか楽しみです。いろいろなカミキリムシがやってくることを予想しています。



今回伐採したスギの年輪を参加していただいた子どもたちに数えてもらいました。
すると、なんとお父さんの年齢と一緒でした!

地元の方からは材の特徴を活かした利用に関する伝統知もいろいろお話を伺う機会になりました。
また伐採の際に幹の中いいるカミキリムシの幼虫を囲炉裏で焼いて食べたお話や、それがとても楽しみだったというお話を伺いました。
「木を伐る」ことからつながる里山の暮らしや生き物との関係を、体験を通して感じることができました。

<里山の生き物サポーターズ>
キョロロでは今年度から、里山管理活動と連動した市民参加型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」をスタートしました。
木を伐る、草を刈る、水環境を管理するといった伝統的な里山管理が、多くの生物の生息環境の創出や維持につながることに注目し、「里山の生物多様性の保全」という目標を共有しながらこういった里山管理活動を参加者の皆さんと実践するものです。
近年、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて、私たちの生存の基本である衣食住を担う「生態系サービス(生態系からの恵み)」の持続可能性が、SDGsの達成の中でも重要なテーマとして認識されています。人間活動の影響を受けて持続的に維持されてきた里山は、持続可能な社会形成に向けた環境-人間のつながりを考える上で、実践的な学びや行動の舞台として適した場所の一つだと私たちは考えます。
「里山の生き物サポーターズ」は、里山の生物多様性の保全を目的に誰もが無料で参加できる市民参加型のイベントです。里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、本活動が里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。
#SDGs #生物多様性 #里山

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