【SDGs】ため池は生き物の宝庫-第5回里山の生き物サポーターズ-報告

キョロロでは今年度から、里山管理活動と連動した市民参加型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」をスタートしました。
第5回目(11/7)は土砂や落葉の堆積で浅底化したため池の泥上げを行い、そこに暮らす水生生物の観察を行いました。

作業場所は「クロサンショウウオの池」と呼んでるため池です。
流れ込む土砂や周囲の森林からの落葉落枝により浅底化しており、数年に一度泥上げを行っています。
今回は泥上げ作業と共にため池の水生生物を一度捕獲し、観察してから池に再び戻す作業を行いました。

ヤマアカガエル、ニホンアカガエル、ツチガエル、アカハライモリなどの両生類が多数観察できました。

魚類はシナイモツゴやドジョウが見られ、昆虫類は複数のトンボのヤゴ、ゲンゴロウの仲間、コオイムシなどが観察できました。
マルタニシも多数生息していました。
用意したバケツには多数の生き物であふれ、ため池にたくさんの生物が生息していることを実感しました。

捕獲した水生生物は、作業終了後にすべてため池にリリースしました。
お米作りの水源として需要なため池の泥上げは伝統的なため池管理手法の一つです。小雨が混じる少し肌寒い中でしたが、地域の方々や参加者の皆さんのご協力で、スムーズに行うことができました。
ため池は農業との関連が深い場であると同時に、多様な水生生物を育むということ、そして「お米作り」と「生物多様性」との関連を実感することができました。

今年度の「里山の生き物サポーターズ」は今回の活動をもって終了となります。
ご参加いただいた皆様、大変ありがとうございました。

<里山の生き物サポーターズ>
キョロロでは今年度から、里山管理活動と連動した市民参加型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」をスタートしました。
木を伐る、草を刈る、水環境を管理するといった伝統的な里山管理が、多くの生物の生息環境の創出や維持につながることに注目し、「里山の生物多様性の保全」という目標を共有しながらこういった里山管理活動を参加者の皆さんと実践するものです。
近年、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて、私たちの生存の基本である衣食住を担う「生態系サービス(生態系からの恵み)」の持続可能性が、SDGsの達成の中でも重要なテーマとして認識されています。人間活動の影響を受けて持続的に維持されてきた里山は、持続可能な社会形成に向けた環境-人間のつながりを考える上で、実践的な学びや行動の舞台として適した場所の一つだと私たちは考えます。
「里山の生き物サポーターズ」は、里山の生物多様性の保全を目的に誰もが無料で参加できる市民参加型のイベントです。里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、本活動が里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。
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