ゴマダラオトシブミのゆりかご作り

一生懸命クリの葉を巻いているのは、ゴマダラオトシブミのメスです。ゴマダラ模様がかわいらしいオトシブミです。

オトシブミというのは、母親が子供のために実に見事な葉巻を作る虫で、この葉巻の中には卵が1個(種によっては複数個)産みこまれます。ふ化した幼虫は葉巻の中だけを食べて成長し、葉巻の中で蛹になり、羽化してきます。漢字で書くと「落し文」、これはできあがった葉巻があまりに見事で、昔の巻物(手紙)にそっくりだったことから名づけられたそうです。これだけの見事な葉巻を作るためにオトシブミが駆使する技術たるや、本当に驚くばかりです。

キョロロの森にはオトシブミが14種ほど生息していて、季節ごとに色々な種類が入れ替わり現れます。同じオトシブミでも季節によって利用する植物が異なり、例えばゴマダラオトシブミは最初にブナやミズナラ、サワシバなどで葉巻を作り、季節が進むとクリやコナラを使うようになることが分かってきました。

写真をよ~く見ると、葉巻の中央下付近に、小さなハエのようなものが見えませんか?実はこれ、オトシブミの卵に卵を産みに来た、タマゴコバチというハチなのです。オトシブミがこんなにも立派な葉巻で卵を包むようになったのは、この1ミリほどの小さなハチとのせめぎ合いの進化があったのかもしれません。

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