水生昆虫の冬も衰えぬ食欲
2010年 1月 11日at 6:07 PM 研究員 大脇淳 @①生き物だより
約1か月前から、カクツツトビケラでちょっとした落ち葉消費実験を始めました。「カクツツトビケラ幼虫約15匹+落ち葉を入れた水切袋」と「落ち葉だけを入れた水切袋」を同じ水槽に放置して、落ち葉の分解を比べようというものです。入れた落ち葉はどちらもホオノキ、イタヤカエデ、ブナを各1枚とサワシバ、コナラを各2枚です。さあ、いったいどうなったでしょうか?
まずはカクツツトビケラが入っていない袋。ほとんど何の変化もありません。
次にカクツツトビケラを入れた袋。
お~、かなり食われてるではないですか!!!水槽は外に置いていたので、かなり寒いはずですが、寒い冬の間も食欲旺盛なんですね!あと、ホオノキ、イタヤカエデ、サワシバはずいぶんとボロボロになっているのですが、コナラとブナの葉はほとんど食べられていません。硬いのか、まずいのか、いずれにしてもお好みではないようです。
ところで、カクツツトビケラを採集してるとよく採れるのがガガンボの幼虫。なんとも気持ち悪い姿をしていて、しかもデカイ。5cmくらい。
彼らが一体何をしているかよく分からなかったので、お遊びで彼らも実験してみました。さて、彼らの入った袋を開けてみると・・・、
なんと、ホオノキ、イタヤカエデ、サワシバは見る影もないほどボロボロではないですか!彼らはとても重要な分解者だったのです!しかし、そんな彼らでもブナとコナラはお口に合わないようで。
寒い冬の間でも、川の中では地味な虫たちが大活躍しているのです。
地図へのリンクはこちら
撮影日:2010年1月11日