【間伐&昆虫ハウスづくり】SDGs:里山の生き物サポーターズ②

「里山の生き物サポーターズ」は里山管理活動と連動した市民参加型生物多様性保全活動です。里山の田んぼ、ため池、森、草地をフィールドにした里山管理活動を通して、みんなで楽しく生き物が暮らしやすい環境の創出や維持を目指しています!
5月は「間伐木を集めて昆虫ハウスづくり」をテーマに、間伐木を集め昆虫の産卵床や隠れ家(昆虫ハウス)をつくりました。このような雑木林の低木伐採は燃料の確保のために行われてきた伝統的な里山管理で、松之山では「ボイ伐り」と呼ばれています。燃料として森林資源をほとんど使わなくなった現在、キョロロの森の中にもこういった管理が停止した低木の群落が多く見られます。間伐により林床の光環境が改善することで、林床を生息環境とする様々な植物の成長を促す効果もあります。

今回も昨年からの活動エリアを広げる形で、低木の間伐と間伐木を集め積み上げる活動を行いました。
子どもたちもたくさんお手伝いをしてくれました!ノコギリを使って木を伐ったり、大きな枝やツルを運んだり大活躍です。


間伐すると一気に森が明るくなります。
明るくなると土の中で眠っていた種子(埋土種子)の発芽が促進されます。
昨年作業した場所では、チゴユリやスミレの仲間、ミツバアケビの芽生えがたくさん見られました。
また活動の途中でギフチョウも姿を現しました。明るい森を好む春のチョウです。

間伐した木々は数か所に積み上げ、昆虫の産卵床や隠れ家のための「昆虫ハウス」としました。
また林内がすっきりすることで、森林性の猛禽類なども生息しやすい環境になることも期待しています。

今回は2年前にこの活動で作った昆虫ハウスを掘って、どんな生き物が暮らしているのか探してみました。
樹種によって腐朽の程度には差があり、すでにボロボロになっているものから、コナラのようにまだ硬い芯が残っているものまで様々です。

樹皮をはがすとカミキリムシの幼虫や甲虫の仲間の幼虫が現れたり、
ヤスデやアリなど様々な生物が暮らしていることがわかりました。


里山の森の管理活動による森の変化や森に遅らす生き物の多様性を体験的に学ぶことができました。

次回は6/25’(土)に間伐とスウェーデントーチづくりを実施します。
皆様のご参加をお待ちしております。

<里山の生き物サポーターズ>
キョロロでは里山管理活動と連動した市民参加型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」を実施しています。木を伐る、草を刈る、水環境を管理するといった伝統的な里山管理が、多くの生物の生息環境の創出や維持につながることに注目し、「里山の生物多様性の保全」という目標を共有し、自然のめぐみも楽しみながら里山管理活動を参加者の皆さんと実践するものです。
近年、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて、私たちの生存の基本である衣食住を担う「生態系サービス(生態系からの恵み)」の持続可能性が、重要なテーマとして認識されています。人間活動の影響を受けて持続的に維持されてきた里山は、持続可能な社会形成に向けた環境-人間のつながりを考える上で、実践的な学びや行動の舞台として適した場所の一つだと私たちは考えます。「里山の生き物サポーターズ」は、里山の生物多様性の保全を目的に誰もが参加できるボランティア参加型のイベントです。里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。

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