大地の芸術祭
新潟県十日町市と新潟県中魚沼郡津南町(越後妻有地域)では、3年に一度【大地の芸術祭の里 越後妻有】を開催しています。
瀬戸内国際芸術祭や札幌国際芸術祭など全国各地で行われている芸術祭に先駆けて開催されたのが【大地の芸術祭】で2000年に第一回を開催し、これまで多くの作品が公開されてきました。
国内のアーティストはもちろん、海外のアーティストも多く約40の国と地域からアーティストが参加しています。
東京23区よりも広い全域の里山に300点以上もの現代アート作品が点在し、会期終了後も常設作品を楽しむことができます。
松之山エリアには、会期終了後でも通年で楽しめるアート作品が数多く存在します。その中から注目作品をご紹介致します。
Y052【最後の教室】クリスチャン・ボルタンスキー + ジャン・カルマン
児童の減少により廃校になった、旧東川小学校を利用した大規模な作品です。2006年に製作されて以来、芸術祭の目玉作品として注目を集めています。
館内から響き渡る心臓の音は、まるでこの作品の心音のようにも聞こえます。2018年には建物がリニューアルされ、校内に同じ作家の新しい作品も加わりました。松之山では外せない作品です。
Y106【ブラックシンボル】サンティアゴ・シエラ
圧倒的な存在感で湯本の高台に佇み、温泉街に睨みを効かせる巨大な影。スペインのシェリー酒製造会社『オズボーン・グループ』の広告看板で、高さ10mの巨大な雄牛です。これより少し大きめの牛の看板がスペイン全土に約90ヶ所置かれており、スペインでは国民的シンボルマークとなっています。
オズボーンの雄牛は見る人の気持ちが試されます。遠方からの眺め、足元から見上げた時、不動滝との見事なマッチング、辿り着いて振り返った時に得られるこの上ない達成感、そして誰も見たことがない雪とのマリアージュ。あなた自身の感じ方を見つけてください。
Y013【夢の家】マリーナ・アブラモヴィッチ ※会期中のみ
体験宿泊することのできる作品【夢の家】。
築100年以上の家を改修し造られたこの作品は、2000年の第1回大地の芸術祭より、集落民が管理し宿泊客をお出迎えしてきました。【夢の家】という名の通り「自分と向き合うための夢を見て欲しい」という作家の願いから生まれた作品です。
宿泊客は薬草の入った湯船で体を清め、それぞれ4色の部屋と同じ色の「夢を見るためのスーツ」に袖を通し「夢を見るためのベッド」という黒曜石の枕が設置された棺のような寝床で「夢を見るため」の一夜を明かし、棺の中に設置された「夢の本」に見た夢を書き綴ります。館内は芸術祭会期中の会館時間であれば、見学することができます。
赤、青、緑、紫と4つの部屋があり、それぞれの部屋には意味があるので、作品案内の方に聞いてみましょう。
Y019【十日町市里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ】手塚貴晴+手塚由比
豪雪地でもある松之山中央部の森に突如出現する、長大な鋼鉄の箱。キョロロは外部がすべて錆に覆われた、とてもユニークな建造物であり自然科学の参加体験施設です。
積もった雪の断面を、分厚いアクリル板の窓から直接観察できるなど、冬ならではの光景が楽しめます。キョロロには里山の達人が常駐し、生物多様性や文化について地域の人と調査・研究を進めながら、自然体験のお手伝いをしています。一緒にキョロロの森を探検しよう。
Y082【オーストラリア・ハウス】アンドリュー・バーンズ・アーキテクト ※会期中のみ
築150年の古民家が【オーストラリア・ハウス】として再生されました。日豪交流の拠点として、数多くのオーストラリアの作家たちが滞在して浦田地区の住民と交流を深めてきました。会期中でなくとも宿泊受付をしている期間であれば、宿泊することができます。2013年には、ヨーン・ウッツォン国際建築賞を受賞しました。
松之山温泉を起点にアートと戯れてみてはいかがですか?松之山の自然と文化を、アートを通して実感する素敵な時間になるでしょう。