棚田

棚田とは山間地や谷間の斜面に作られた階段状に連なる複数の水田のことをいいます。
十日町市松代、松之山地域には四季折々に美しい棚田がたくさんあります。
人の営みが育んだ健やかで美しい里として「にほんの里100選」に選ばれ、多くの人々の心を癒し愛されてきました。
美味しいお米を作るだけではない、隠れた棚田の魅力をご紹介します。

 目次
1.雪国の棚田の特徴
2.棚田の役割
3.おすすめスポット
4.棚田の魅力を発見した人
5.棚田鑑賞のマナー

1.雪国の棚田の特徴
①おいしいお米の秘密
十日町市は世界有数の豪雪地帯で年平均3m以上もの積雪があります。この豊富な雪解け水が周辺の森に浸透し、ミネラルをたっぷり含んだ水となって棚田を潤します。この水はため池や「たねんぼ」と呼ばれる小さい池に一旦貯められてから田んぼに利用されます。あの美人林にある美しい池も田んぼ用のため池なのです。栄養たっぷりの水で元気な稲が育ちます。

 

②なぜ秋に水をはるの?
稲刈りがひと段落した晩秋、この地域の棚田では代かき(しろかき)を行います。これは田んぼが乾燥してひび割れたり、畦が崩れたりするのを防ぐためです。また、代かきの後に降る雨水を田に貯めるのは、積雪の重さで田の土が固くなるのを防ぐためでもあります。春の雪解け水を漏らさず田んぼに溜めるための雪国ならではの知恵と努力です。これにより美しい水鏡の風景を私たちは見ることができるのです。

③はさがけ
刈ったばかりの稲は水分が多くそのままでは長期保存や加工することができません。稲を乾かす必要があります。現在では殆んどの農家は機械を使いますが、松之山地域では昔ながらの太陽と風の力を借りて稲を乾かしています。田んぼ周辺の杉の木を柱として、稲を干すことを「はさがけ・はざがけ」と言います。

④天水田(てんすいでん)
この地域の棚田は山間地にあるため水源に乏しく、灌漑水のほとんどを雨水や雪解け水に頼っている天水田です。

2.棚田の役割
棚田には私たちの暮らしと健康を守る大切な役割があります。
①地すべりを防ぐ
しっかりと固められたあぜにより水が段階的に流れ、水流が極端に増すことがありませんので地すべりや鉄砲水を防ぎます。棚田はダムと同じ働きをしているのです。

②水や空気をきれいに
棚田の水は少しずつ土壌に染み込みろ過されます。そして汚れは微生物によって分解されきれいな水となります。また、溜まった水が蒸発するときに気化熱を奪うため気温が低く保たれます。夏の暑い日に打ち水をするのと同じ作用です。

③生態系を維持
棚田にはたくさんの生物たちが暮らしています。その周辺の森、ため池、川などとも密接に結びついて生態系が保たれています。毎年子育てのため渡り鳥「アカショウビン」がやってくるのは棚田に餌となるカエルなどの生物が豊富でその周りを営巣場所となるブナの森に囲まれているからです。


3.おすすめスポット
①星峠(ほしとうげ)の棚田
十日町市を代表する棚田スポット。大小約200枚の田んぼが目の前に広がります。
「死ぬまでに行きたい日本の絶景」として紹介されているほか、大河ドラマ「天地人」のオープニングシーンで登場したことでも有名です。朝日の昇る頃、雲海が広がるようすは神秘的です。駐車場、トイレあり

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②儀明(ぎみょう)の棚田
あぜの残雪と、満開の山桜が水鏡に映り込むことで有名になった棚田です。特に夕景が美しく、トップシーズンは大勢のカメラマンでにぎわいます。R253沿いにあるため鑑賞しやすいポイントですが、大型車が多く行きかうため、駐車や乗降時にはご注意ください。

③蒲生(かもう)の棚田
小さな山あいに広がる朝日がきれいに映る棚田です。遠くには越後三山や巻機山まで望むことができます。駐車場あり


④留守原(るすばら)の棚田
ポツンと立つかやぶき屋根の小屋が何とも言えない郷愁を醸し出します。
昔は田んぼが家から遠かったため、作業小屋を立てて寝泊りしていました。駐車場あり

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棚田の美しさを支える人


⑤狐塚(きつねづか)の棚田
「日本の棚田百選」に選ばれています。圃場整備された直線的で広々とした景観が楽しめます。


4.棚田の魅力を発見した人とは
この地域で暮らしている人にはあまりにも当たり前すぎて気づかなかった魅力を教えてくれたのがイギリス人写真家のジョニーハイマスさんでした。
彼と農家の方が醸しだしたストーリーはこちら
(ジョニーハイマスさんが気づかせてくれた棚田の魅力)

5.棚田鑑賞のマナー
①自分のごみは自分で持ち帰りましょう。
②農道は住民の道路です。通行の妨げにならないようにしましょう。
③撮影する際は田んぼや畑に絶対に入らないでください。
④地元の人に会ったらまずは挨拶から。
美しい自然景観はみんなの宝です。マナーの遵守をお願いします。

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