研究

地域の生物多様性の解明や
環境教育に関する実践研究を行っています

市民参加型いきもの調査
〜みんなで地域の生物多様性を記録する〜

キョロロでは開館以来、学芸員・研究員の研究活動を地域住民や一般参加者と共に実施する「市民参加型いきもの調査」を継続しています。当たり前の存在だった地域の自然への新たな視点や価値づけ・再発見という学びの機会として、参加者の「たくさんの目や視点」による生物多様性データの質や量の向上など、「市民参加型いきもの調査」は参加者と博物館双方にとって大きなメリットがあります。また、調査の成果は博物館の企画展や、教育普及のための教材の作製、絶滅危惧種の保全活動などに活用することで、地域に還元しています。

代表的な市民協働調査の一つ「探鳥会」

▲ 代表的な市民参加型いきもの調査の一つ「探鳥会」

マツノヤマヒメコケムシ

▲ マツノヤマヒメコケムシ

新種発見!
マツノヤマヒメコケムシ・キョロロコケヒメガガンボ

マツノヤマヒメコケムシはキョロロの森の「北原のブナ林」において、2005年7月29日〜8月10日までの間に仕掛けた「フライト・インターセプト・トラップ」という昆虫の捕獲器で採集された昆虫を調べた結果、コウチュウ目コケムシ科の新種の昆虫であり、当時の松之山中学校の生徒と共に新種記載しました。「マツノヤマヒメコケムシ(Euconus (Euconophron) matsunoyamaensis)」と名付けられたこの昆虫は、今まで知られている日本産ヒメコケムシ属の中でも最も小さく体長は0.9〜1ミリにも満たないものでした。
キョロロコケヒメガガンボ(Dactylolabis kyororo)はハエ目ヒメガガンボ科の昆虫で、2021年にキョロロの森の沢付近で初めて1個体が採集されました。その後、2022年に新発田市で1個体、2023年にキョロロ敷地内で1個体が追加採集されています。これまで全国的に調査している中で、本種が確認されているのがキョロロを含む2地点のみである点から、希少度の高い種の可能性がある種です。

キョロロが十日町市産標本をもとに新種記載した昆虫は現在6種です(2025年3月現在)。これまでのキョロロの一連の新種発見により、里山の生物多様性の理解のさらなる深化につながることを期待します。
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研究活動の成果の一部は「研究紀要」にて公開しています。ぜひご覧ください。
https://www.matsunoyama.com/kyororo/bulletin-of-research

研究活動(学芸スタッフ・市民)に関する
プレスリリース

新種・県内初記録種など
里山の生物多様性に関する研究

学芸スタッフや市民の研究活動に関して、十日町市定例記者会見(報道発表)にてプレスリリースしたものを紹介します。
—-プレスリリース(報道発表したもの)——
【キョロロコケヒメガガンボ】キョロロの名前がついた昆虫が新種記載されました(2023年12月)
<紹介記事> 十日町市定例記者会見 キョロロ通信(公式ブログ)
十日町市松之山で4種目の新種ガガンボが記載されました(2022年8月)
<紹介記事> 十日町市定例記者会見 キョロロ通信(公式ブログ)
発見続々!県内初記録の昆虫を小学生らがキョロロでの地道な調査で発見(2022年7月)
<紹介記事>キョロロ通信(公式ブログ)
松之山で新種昆虫2種を発見しました(2021年7月)
<紹介記事>十日町市定例記者会見 キョロロ通信(公式ブログ)
ヒメガガンボ科の昆虫を新種記載しました(2020年12月)
<紹介記事>十日町市定例記者会見 キョロロ通信(公式ブログ)
新潟県初記録の「昆虫の死骸から発生する珍カビ」が発見されました。(2019年8月)
<紹介記事>キョロロ通信(公式ブログ)
—-研究紀要——
研究活動の成果の一部は「研究紀要」にて公開しています。ぜひご覧ください。
「森の学校」キョロロ研究報告
https://www.matsunoyama.com/kyororo/bulletin-of-research

▲ キョロロコケヒメガガンボ(Dactylolabis kyororo)

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