\収蔵標本データベースを公開しました/
生物多様性の記録を未来に残すためのに最も重要な情報は標本です。生き物の標本とそのラベルは「いつ」、「どこに」、「どんな」生き物がどれくらい生息していたのかという記録を未来に残すための最も重要なものです。「生き物の名前を記録しておけばよいのでは?」と思うこともあるかもしれませんが、生き物の名前(つまり分類)は最新の研究を受けて常に変わり続けています。そんな時に生き物の標本が残っていれば、最新の研究成果から「過去の生き物の情報を最新版にアップデートし続ける」ことができます。加えて標本が残っていれば生き物の姿形や遺伝子情報の変化なども過去に遡って研究できる可能性もあり、未来に生物多様性の情報を伝える上で標本は重要な役割を担っています。博物館の役割の一つはこうした標本を収集・保管することにあります。「森の学校」キョロロでも4万点以上の昆虫の標本を収蔵しています。中でも新潟県内の著名な昆虫研究者であり、十日町市出身の故・樋熊清治氏から寄贈を受けた昆虫標本コレクションは県内の昆虫の生物多様性を記録する上で貴重な資料となっています。

▲樋熊清治先生

▲標本整理の様子
キョロロでは収蔵している昆虫標本の情報を広く伝えるために、昆虫標本のデジタルアーカイブ化とその公開を進めています。今回、樋熊清治コレクションの一部の画像と採集情報をHP上での公開を開始しました。こちらの「収蔵標本データベース」からアクセスできます。

▲収蔵標本データベース(キョロロHP内)

▲データベースで公開されているアカタテハの標本写真
キョロロでは独自に公開しているデータベースの他に、国立科学博物館の提携して樋熊清治氏のコレクション以外の標本情報も公開しています。以下の「サイエンスミュージアムネット」HPの検索バーからキョロロを検索すると見つかります。
サイエンスミュージアムネット(S-Net)HP: https://science-net.kahaku.go.jp/
こちらでは館内で閲覧できる志賀夘助の世界のチョウコレクションのデータやキョロロの学芸員・研究員が採集した標本のデータを検索できます。
両データベースとも今後も更新を続ける予定ですので是非閲覧してみて下さい。