Archive for 7月, 2022

松之山のハナアブ図鑑が改訂されました

日曜日, 7月 31st, 2022

2021年3月に公開された「松之山のハナアブ図鑑ver.1」の改訂版、「松之山のハナアブ図鑑ver.2」を本日公開しました。

ver.1は2020年までに採集・確認できたの松之山産ハナアブ科に基づいた図鑑でしたが、ver.2は2021年に採集・確認できた標本データも組み込まれています。去年までの市民協働調査「ハナアブしらべ」に継続してご参加いただいたご家族様のお陰もあり、ver.2の掲載種数はver.1の38種から2倍以上の82種となりました。この種数は松之山から記録のある動物の中で、科レベルでは最大であると考えられます。さらにハナアブの形態・生態の情報の改良や、各種の情報の追加、種を調べるための検索表などの追加もあり、より便利な図鑑へと進化しました。今回の掲載種数は82種となりましたが、2022年からのハナアブしらべやその他の調査で松之山未記録のハナアブが既に見つかっており、今後さらなる種数の増加が見込まれます。この図鑑を通してマイナー昆虫の奥深い生物多様性の一角を感じていただければ幸いです。

「松之山のハナアブ図鑑ver.2」は以下のリンク先の「出版物」の一番下の方からダウンロードできます。

オンラインミュージアム

 

【開催報告】涼しい川で生き物探し!7月の川の生き物探検

土曜日, 7月 30th, 2022

7月24日(土)にキョロロの近傍を流れる越道川(こえどがわ)で川に住む昆虫や魚を探す「川の生き物探検」を開催しました。
前日まで雨が降っていて開催が危ぶまれましたが、当日は快晴となり無事開催できました。川の中で活動するための注意点を聞いた後、ライフジャケットを着て川の中へ!

川の石の下には様々な水生昆虫や、魚、カニなどが隠れています。それらの水生生物を親子で協力しながら網を使って捕まえました。
20220724_川の生き物探検3
20220724_川の生き物探検2

13:00~14:30の短い活動時間でしたが、カジカやアブラハヤといった魚や、カジカガエル、サワガニ、ヘビトンボやオニヤンマのヤゴなど、様々な川の生き物を採集・観察することができました。
20220724_川の生き物探検4

川の生き物探検は8月11日(木)にも開催いたします(既に定員まで予約済み)。そちらでも様々な生き物が観察できることを期待したいと思います。

【プレスリリース】発見続々!県内初記録の昆虫を小学生らがキョロロでの地道な調査で発見

金曜日, 7月 29th, 2022

「森の学校」キョロロの市民参加型生物調査の一つ「ハナアブしらべ」に継続して参加している小学生達が、県内初記録の昆虫や、新種や日本未記録種の可能性のある昆虫を採集しています。

■調査成果
・県内初記録のオオクニクロハナアブ:まつのやま学園4年生の大谷成輝さんが2021年9月にメス1個体を採集。本種は日本からは約10例の記録があるのみ。
・新種の可能性のあるベッコウハナアブ属の一種:上越市立中郷小学校5年生の村越心士さんが2020年6月にメス1個体を採集。
・日本未記録の可能性のあるクロハナアブ属の一種:南魚沼市立上田小学校4年生の小林頼叶さんが2021年5月にオス1個体を採集。

■研究成果をまとめた研究報告
十日町市松之山のハナアブ科の記録(昆虫綱:ハエ目).「森の学校」キョロロ研究報告3:rk202202.(※キョロロHPよりダウンロード可。URL: https://www.matsunoyama.com/kyororo/bulletin-of-research

■市民協働調査「ハナアブしらべ」について
ハエ目ハナアブ科の昆虫の生息状況を調査する市民参加型の生物調査イベントで、2020年から4月または5月~11月に月一回開催している。ハナアブの多くは花に集まり、ハチと認識されやすい。県内のハナアブ科は比較的調査が進み、既に約150種が記録されており、県内未記録の種を採取するのは容易ではない。

身近な自然にはあっと驚くような発見が潜んでいます。夏休み、ぜひ身近な自然で生き物を観察してみませんか?

ハナアブしらべの様子

オオクニクロハナアブ

ベッコウハナアブの1種

クロハナアブの1種