Archive for the '②里山だより' Category

【開催報告】生き物いっぱい!キョロロの田植え体験2026

日曜日, 5月 31st, 2026

5月31日(日)田植え日和のいい天気の中、毎年恒例の田植え体験を行いました!

キョロロの田んぼは「中干し」をしないお米作りをしています。
また田んぼの脇には「江(承水路)」を作って、水辺の生き物が暮らせる環境も整備しています。
水が1年中あることでオタマジャクシやメダカが泳ぎ、トンボの幼虫ヤゴやタニシなど、稲と一緒にいろいろな生き物も育つことができる田んぼです。

田んぼには予め「びびら」と呼ばれる道具で線を引いてあります。
線が交差する場所に苗を植えていきます。間隔は「1尺(約30cm)」です。

ご経験者やリピーターの皆さんも多く、順調に田植えが進みました。
とても丁寧に植えていただき、2枚の田んぼすべての田植えが完了しました。
子ども達は泥に足をとられながら、尻もちをつきながらも最後まで頑張ってくれました!

6/14(日)・6/28(日)には、田んぼの中に生え始めた草を除去したり、田んぼの中にどんな生き物がいるのかを調べるイベントが予定されています。
田植えで植えたお米と一緒にどんな生き物が育つのかな?田んぼの中に入ってそこに生える植物やオタマジャクシやメダカなどの小動物をキョロロの学芸員・研究員と調べてみましょう!

【開催報告】学芸員と歩く!美人林の秘密めぐり(春季企画展関連イベント)

水曜日, 5月 27th, 2026

5月24日(日)春季企画展関連イベントとして「学芸員と歩く!美人林の秘密めぐり」を開催しました。
定員を増員するほど多くの皆さんからご参加いただき、里山を代表するブナ二次林「美人林」を会場に、美人林の成立の背景、多雪地域ならではのブナ林の特徴や生物多様性、人々の暮らしとの関わりをご紹介しました。
※春季企画展「棚田とブナ林-地すべりと豪雪に生きる-」開催中です(会期:2026/7/12まで)!


▲「学芸員と歩く!美人林の秘密めぐり」

美人林はブナの原生林ではなく、今から100年ほど前の大正末期に炭焼きのために伐採され、その後再生した二次林と呼ばれるタイプの森林です。
ブナが高密度で再生してきたため、枝ぶりが広がらず、電柱のような通直な樹形となり、この姿が美しいということから「美人林」と名付けられました。
美人林の成立には里山の人の営みが深く関係しています。

▲初夏の美人林(2026.5.24)

今年の春間伐されたブナの年輪を観察してみました。
この個体が若い頃(数十年前)の年輪と近年の年輪幅を比べてみると、近年は判読が難しいほど年輪が細かく、ほとんど幹が太ることができていません。
これは、美人林に生えるブナの密度が高く、過密状態となりブナが葉を豊富につけることができず、肥大成長が停滞していることを示しています。
細いブナが高密度で生える美人林の特徴的な景観は、見方を変えると過密状態でブナの成長が停滞している側面もあります。

▲美人林のブナの年輪の観察

美人林の中央にある池は明治末期に谷にダムをつくり、農業用水のため池として作られた人造の池です。
しかもこの水を棚田に引くために、美人林の地下には手掘りのトンネルがあります。
この地域の棚田は天水に依存する箇所も多く、棚田の上部にはため池があり、その周辺に水源林としてブナ林がある景観が特徴的です。
雪解け水・雨水とブナ林・棚田とのつながりを解説しました。

▲美人林のため池の解説

ブナの幹を眺めると白い斑点模様があります。
これは「地衣類」という生き物。しかも菌類と藻類という別の生物が共生関係を結んでできた複合体です。
よく見ると、地衣類には何かが削って食べ進んだような筋状の痕があります。その正体は……?

▲美人林のブナの幹に付着する地衣類

ブナ林の植物も観察しました。
「イワガラミ」は名前の通り絡みついて岩などに這いのぼるツル植物です。
葉や茎に「夏のある野菜」に似た特徴的な香りがあります。香りを嗅いで参加者の皆さんと答え合わせをしたところ、23名全員の答えが一致しました!
イワガラミ以外にも、「オオバクロモジ」の香りも楽しみました。

▲イワガラミ(ブナ林に生育する落葉ツル植物)

足元にはブナの落葉がたくさんあります。
参加者の皆さんと足元に落ちているブナの落ち葉を探し、美人林と東京周辺のブナを比べながら、葉の大きさや生理的な特徴の違いを観察しました。


▲参加者各々が探した大きなブナの葉

ブナ林を歩くと足元はふかふかしています。
ブナ林の土壌を観察し、落ち葉の分解や足元の土壌動物の特徴を解説し、ブナ林の水源涵養機能について考えました。


▲ブナ林の落葉層の観察

ふかふかの落葉層を観察した後、美人林の入り口付近で改めて、土壌を観察してみました。
落葉は粉砕され、ブナの根が露出しています。
現在、美人林は気軽にブナ林を楽しめる場所として、年間10万人もの方が訪れる新潟県を代表する観光地となっています。
一方で、観光利用やオーバーツーリズムによる踏圧など、里山のブナ林ならではの課題もあります。
最後は、美人林を「利用すること」と「守ること」の両立について、参加者の皆さんと考えながらイベントを締めくくりました。

▲根が露出し、踏圧で地面が固くなっている美人林の入り口付近。

雨の後ということもあり、幹を流れ下る雨の道「樹幹流」も観察できました。
初夏のすがすがしい空気の中、美人林のさまざまな秘密を参加者の皆さんと一緒に楽しむ一日となりました!

5月のこども探鳥会の報告と定例探鳥会のご案内

月曜日, 5月 18th, 2026

第2回こども探鳥会の報告                   

令和8年5月9日(土)午前8時から9時30分

天気:雨時々曇り、大人9人、中学生1人、小学生2人

小雨の中、まつのやま学園の玄関ピロティで開会しました。やや肌寒い生憎のお天気でしたが、自己紹介と最近の野鳥情報を交換しました。雨が小止みになったので、校舎の北東側にある池を覗くと、カルガモが飛び立ち、カワセミが池の淵の灌木に止まっていました。すると、カワセミが池にダイビングをしました。校舎の西側のブナの森からはキビタキの囀りが絶えず聞こえてきました。グラウンドでは、コチドリ、ハシブトガラス、ツバメを確認しました。電線に止まるムクドリを観察して帰路に着きました。学園の玄関を前にして雨が急に強くなり、ピロティに駆け込みました。参加者で鳥合わせをすると16種類になりました。

確認した野鳥 16種

カルガモ、キジバト、コチドリ、サシバ、カワセミ、アオゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ムクドリ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ

当日の撮影された野鳥と探鳥会の様子


ハシボソガラス


コチドリ


ムクドリ

 
カワセミ


探鳥会の様子

 

5月の定例探鳥会のご案内

松之山野鳥愛護会と「森の学校」キョロロが協働で開催し、松之山地域の野鳥相を調査する定例探鳥会を今年度も毎月第4土曜日に開催しています。夏鳥がほぼそろってきました。クロツグミやオオルリが盛んに囀り、アカショウビンの声も聞こえています。

野鳥の囀りが最高の季節となりました。是非ご参加いただき、一緒に松之山の野鳥に親しんでみませんか。もちろん初心者の方も大歓迎です。

【日 時】令和8年5月23日(土)午前4時30分〜7時30分
【集合地】「森の学校」キョロロ駐車場
【日 程】4:30 探鳥会開始
     7:20 鳥合わせ・情報交換
     7:30 終了予定

最近撮影された野鳥


ニュウナイスズメ


サシバ

第70回松之山探鳥会のご案内と記念事業の開催

キョロロ通信の次のURLでご覧いただけます。

https://www.matsunoyama.com/kyororo/blog/?p=15789

記念講演会、記念祝賀会では是非野鳥談議に花を咲かせましょう。

大勢の参加をお待ちしています。