アメリカザリガニ対策の「次の一手」を考える―生態工房・片岡さんをお招きして研修会を開催しました
木曜日, 9月 3rd, 2026キョロロとキョロロ友の会では現在、キョロロの森のため池に侵入したアメリカザリガニの対策に力を入れています。特に今年度からは「モリアオガエルの池 復活作戦」と題して、毎月の保全イベントやボランティアによる駆除、「モリアオ基金」の設置など、さまざまな取り組みを進めています。
8月27日(木)、友の会の活動の一環として、認定NPO法人 生態工房の理事長・片岡知美さんを講師にお招きし、事務局スタッフ向けの研修会を実施しました。
生態工房さんは、東京都内の公園を中心に、身近な自然の保全・再生に取り組む団体です。特に、市民との協働による外来生物防除や自然再生に多くの実績があります。
(公式HP:認定NPO法人 生態工房)
研修会では、まず片岡さんにキョロロのため池の状況や、これまでの活動の様子を実際に見ていただきました。そのうえで、私たちがこれまで試行錯誤する中で感じてきた疑問や課題を相談し、今後どのように対策を進めていけばよいのか、また、より多くの人に関心を持ってもらい、活動に参加してもらうにはどうしたらよいのかを議論しました。

▲モリアオガエルの池復活作戦の取り組みについて共有

▲ザリガニ罠の回収作業にも同行していただきました
キョロロのため池ならではの難しさ
キョロロにおけるアメリカザリガニ対策には、いくつかの難しい点があります。
① 小さな池が点在していること
池と池の間で、ザリガニの流入や移出が起こる可能性があります。
② 水量の調節が難しいこと
ため池の多くは湧き水や沢水を水源としているため、自由に水を抜いたり、水量を調節したりすることができません(かいぼりで一気に駆除するという方法をとりにくい)。
③ 希少な在来種への影響に注意が必要なこと
ゲンゴロウ類やカエル類など在来種も多く生息しているため、混獲による影響や罠に使うエサによる水質汚染を最小限にする必要があります。
こうした難題に対して、片岡さんからは、いくつかの現実的な対策を提案していただきました。
例えば、ザリガニの密度が高く、周辺の池への「供給源」になっていると考えられる池については、在来種が比較的少なく、かつ水を抜きやすいという条件を踏まえ、一度水を抜くことで大きなインパクトを与える方法。
また、捕獲された在来種が罠の中で溺れてしまうことを防ぐため、罠を改良・工夫して運用する方法などです。

▲まだザリガニ密度の低い「アカショウビンの池」は水草も豊富です。こうした環境を守りたい…!
「効果が見えにくい」からこそ、続ける工夫を
アメリカザリガニ対策の効果は、数か月単位ではなく、年単位で追っていく必要があるというお話もありました。
やらなければ確実に増えてしまうけれど、やっても効果が見えにくい。
それが、アメリカザリガニ対策の難しさの一つです。
そんな中で、特に印象的だったのが、片岡さんの「私たちがザリガニを追い詰める側であって、逆に追い詰められてはいけない」という言葉でした。
罠の改良などの創意工夫によって、できるだけ効率よく防除する。そして、活動する私たち自身が疲弊してしまわないよう、心と体力の余裕を保ちながら続けていくことが重要ということです。
長く現場で活動されてきたからこその知見と技術、そして大切なマインドを学ばせていただきました。
今回の研修で議論した内容をもとに、事務局スタッフで改めて今後の防除計画を練り、次の一手を打っていく予定です。
ボランティアの皆さまをはじめ、「モリアオガエルの池 復活作戦」をご支援くださっている皆さま、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

※この研修会は、公益信託タカラ・ハーモニストファンド(2026年度)の支援を受けて実施しました。
アオサギ










