Archive for 10月, 2022

煌めきのチョウ展アンケート結果

金曜日, 10月 28th, 2022

 2022年7月16日から10月16日まで開催していた「煌めきのチョウ展」で設置していたこの展示に関するアンケートの集計結果をお知らせします。このアンケートでお尋ねしたのは①年齢、②お気に入りの展示コーナー、③お気に入りのチョウ1~3位、でした。今回はちょうど200名の方にご回答いただきました。

まずは回答者情報についてです。これまでのアンケート結果と同じように男性よりも女性の方により多くご回答をいただいており、年齢層も6~10歳(小学生低-中学年)が圧倒的に多くを占めていました。

お気に入りの展示については、1位が「美しいチョウたち」、2位が「世界のチョウ」、3位が「チョウのクイズ」でした。やはり世界のチョウの美しさは圧倒的な人気でした。また、子供向けに作ったクイズはやや難易度を高めにしましたが、満足頂いたようで何よりです。男女比で顕著に違いが見られたのは「美しいチョウたち」と「日本のチョウ」でした。女性は「美しいチョウたち」を選ぶ方が多く、一方5位の「日本のチョウ」では男性の票数自体が女性の半分ほどしかないにもかかわらず男性の方が多い傾向がありました。そして4位は「空白」という結果となってしまいましたが、これはお気に入りのものを複数選んでいただいた12名の方を「空白」扱いにしているためでもあります。

続いて「お気に入りのチョウ1~3位」についてです。「お気に入り第1位」には65種に票が入り、その中で1位にランクインしたのはオオムラサキとアゲハチョウで、3位はミヤマカラスアゲハでした。派手で綺麗な海外のチョウがランクインするかと予想していましたが、身近な存在で愛着のあるチョウが選ばれたというところでしょうか。その後4位、9位、11位にモルフォチョウ類が来ていますが、残りは全て国産のチョウでした。興味深いことに、日本の国蝶である「オオムラサキ」は圧倒的に男性に人気があり、モルフォチョウ類は逆に女性に人気であることが分かります。この結果は前述の「お気に入りの展示」と同様の傾向が出ているように見えます。

「お気に入りのチョウ2・3位」についてはなんと「空白」がそれぞれ1位に来てしまっています!しかし、これは大変うなずける結果で、あれだけ多くの種がある中からお気に入りのチョウを選ぶ作業は極めて苦であったはずです。特に時間をかけて3位まで全て選んでくださった方々には感謝の言葉しかありません!また、「お気に入りのチョウ1位」と比べ、票の入った種数がどちらも圧倒的に多く、「2位」では83種、「3位」では84種も選ばれていました。上位にランクインした種は概ね「1位」と似ており、アゲハ類・オオムラサキ・モルフォチョウ類が占めていました。全体として女性はモルフォチョウなど綺麗な海外のチョウを好み、男性は国産の綺麗なチョウを好むようです。

「自由コメント欄」には「おもしろかった」「綺麗だった」「いろんなチョウがいて驚いた」などのうれしいご感想、チョウに関する皆様の体験談、「次は〇〇の展示をしてほしい」などのご要望もありました。重ねて、アンケート回答にご協力いただいた皆様、展示に見にご来館いただいた皆様に感謝申し上げます。また次回の特別企画展にご期待ください。

 

 

 

 

先代「美人林」標柱も展示!企画展「美人林ものがたり」開幕

月曜日, 10月 24th, 2022

10/21(土)から秋冬企画展「美人林ものがたり-里山の美しきブナの森の秘密-」が開幕しました。
美人林のブナ林の美しさの背景を、里山の人の暮らしや雪国のブナの生態からひも解く企画展です。
「美人林の名付け親は?」「美人林の地下にトンネルがある!」「美人林のブナが弱っているって本当!?」といった多数のトピックをご紹介し、様々な美人林のものがたりに触れることができます。
紅葉や冬季のスノーシュー散策と合わせてぜひご覧ください!
※本企画展は平成29年秋冬展のアンコール展です。



美人林では今年、皆さんに親しまれてきた先代標柱が老朽化のため引退いたしました。
今回の企画展では、風雨や雪に耐え趣のある表情を醸し出しているこの先代標柱を展示しています。
現在美人林には新しい標柱が設置されていますので、そちらもぜひご覧ください。

また、冬の美人林を疑似散策できるVR体験を常設設置しています。
枝先に付着した雪の華を観察したり、しずり雪やオオアカゲラのドラミングの音を聞いたり、散策しながらクイズにチャレンジしたりと、VRで冬の美人林を楽しむことができます。
美人林の魅力を多方面からお楽しみください!

さらに、全展示パネルの解説は6か国語対応(英語、中国語(簡体・繁体)、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、タイ語)しています。
日本語が得意ではないご友人やご家族とも楽しんでいただけますし、海外のお客様にもぜひ美人林のものがたりを楽しんでいただければと思います。

川虫しらべ 2022年10月活動報告

日曜日, 10月 23rd, 2022

今回の川虫しらべは、8名の方にご参加いただきました。
水温は約12℃強と、小坪野沢の冷たい水にも負けず、皆さん一生懸命に川虫を採集してくださいました。

今回確認された種は17種です:
モンカゲロウ、🈟フタスジモンカゲロウ、シロハラコカゲロウ、ニホンカワトンボ、ミルンヤンマ、オニヤンマ、フタツメカワゲラ属の一種、フサオナシカワゲラ属の一種、シマアメンボ、センブリ属の一種、🈟ウルマーシマトビケラ、🈟チビマルヒゲナガハナノミ、ヒメハバビロドロムシ、ガガンボ属の一種、サワガニ、🈟ミミズ類、カワニナ(順不)


今回の調査で確認された川虫(一部)
1. モンカゲロウ、2. オニヤンマ(左上にはサワガニ)、3. フタスジモンカゲロウ(左)とフサオナシカワゲラ属の一種(右)、4. ウルマーシマトビケラ、5. チビマルヒゲナガハナノミ、6. ガガンボ属の一種

今回採れた川虫のなかでイチオシは「ヒメハバビロドロムシ」。
細流に普通の種ではありますが、シックな色合いと無骨な姿形がカッコイイんです。
写真では大きく写していますが、実際は体長3 mm程度しかない小さな甲虫で、河川に沈んだ流木の隙間などに隠れて生活しています。


ヒメハバビロドロムシ Dryopomorphus nakanei Nomura, 1958

次回の川虫しらべは、11月27日(日)10:00~12:00、今年度最後を予定しています。
初雪のシーズンになりますが、雪虫の幼虫(特にクロカワゲラ類)が採れることを期待して、冷たい川に挑みたいと思っています。
寒くてもヘッチャラだぜ!という元気のある方のご参加をお待ちしております。