Archive for 5月, 2024

6月のゲンゴロウ相調査について【特別講師が登場!】

金曜日, 5月 31st, 2024

今年度から始まったゲンゴロウ相調査の第2回は6月29日(土)に開催します。前回と同様、開催時間は10:00~15:00と長丁場です(途中、昼休憩が1時間ほどあります)。また、誰でも参加可能ではありません。コチラの記事から参加条件をご確認ください。このイベントは単なる「ムシ採り」ではなく「調査」です。この点をご理解のうえ、お申込みください。

そして今回は、特別講師として吉井重幸先生をお招きしての開催です。吉井先生は「ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシハンドブック」(文一総合出版)の著者のお一人で、ゲンゴロウのスペシャリストです。また、福島虫の会の副会長や、福島県レッドリスト/レッドデータブック改訂調査員も務めていらっしゃいます。

そんな豪華ゲストに指導してもらえる今回は、またとないチャンス。通常は定員10名のところ、少し枠を増やして参加者を募集中です。


▲ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシハンドブック(文一総合出版)

【テレビ放送】めざましテレビ「梅雨の時期だからこそ出会える絶景」美人林(十日町市松之山)

水曜日, 5月 29th, 2024

\テレビ放送のご案内/
2024年5月31日(金)7時37分頃、フジテレビ「めざましテレビ」のシェアTopics(シェアトピ)コーナーにて、「梅雨の時期だからこそ出会える絶景」として美人林が紹介されます。深まる緑が鮮やかな梅雨時の美人林、雨の日ならではのブナ林の表情などが紹介されます。キョロロから映像や画像を提供いたしました。全国の皆様、是非ご覧ください!

【放送局】フジテレビ
【番組名】めざましテレビ
【放送日時】2024年5月31日(金)7時37分頃
【内容】「シェアTopics(シェアトピ)」コーナーにて、「梅雨の時期だからこそ出会える絶景」として美人林が紹介されます。
※生放送の番組につき、大きなニュース等が入った際は急遽延期する可能性があります。


▲梅雨時の美人林

「キョロンボを探せ!」で見つかったガガンボ

水曜日, 5月 29th, 2024

元キョロロ研究員の加藤です。5月25日に国際博物館の日記念事業として、去年新種として記載されたキョロロの名の付くガガンボ「キョロロコケヒメガガンボ」を探すというイベントが開催されました。記載論文にある3例のみの記録はいずれもオスで、5月中旬に採集されているため、本イベントの開催日がこの日となりました。また、ガガンボを含む多くの昆虫では、オスよりやや遅れてメスが成虫となるため、まだ記録・記載されていない本種のメスが採集できないかと期待していました。しかし、本種は個体数が少ない珍しい種である可能性もあり、このイベント中で見つけるのは難しいとも考えていました。というのも、2021年にキョロロの森に仕掛けた昆虫採集トラップで、同属のウスモンコケヒメガガンボが119個体採集されたのに対し、キョロロコケヒメガガンボはたったの1個体しか採集されていないことや、これまでの全国調査のなかで新潟県内でしか見つかっていないからです。そのため、見つかったらラッキーという気持ちでイベントに臨みました。

参加者の皆様には一生懸命探していただきましたが、残念ながらキョロロコケヒメガガンボは見つからず。しかし、その他のガガンボは多く採集され、なんと今回だけでも以下の3科29種が確認されました(当時肉眼で大雑把に分けた種数より増えております)。惜しいことに、キョロロコケヒメガガンボと同属のウスモンコケヒメガガンボは1個体のみ採取されました。また、2021年に仕掛けたトラップでキョロロコケヒメガガンボと同期間に採集された31種のガガンボのうち、発生期間が短くキョロロの森では個体数の多い種(Nippolimnophila perproductaPrionolabis acutistylusなど)が全く見られず、今回得られたウスモンコケヒメガガンボは死骸でした。このことから、今年のキョロロの森のガガンボの発生が例年より少し早く、キョロロコケヒメガガンボの発生も終わっていた可能性も考えられました。生物は年によって発生の時期がずれたり、個体数が増減したりするため、そもそも個体数が少ない種を予備調査なしで狙うというのはやはり難しいですね。そんななかなか出会えないキョロロコケヒメガガンボですが、今後も調査を続けていきたいと思います。ご参加いただいた皆さまに感謝申し上げます。

↑写真背景の1目盛りは1mmです。

オビヒメガガンボ科
1. Dicranota (Rhaphidolabis) sp. (?consors)
2. Nipponomyia pentacantha Alexander, 1958

ヒメガガンボ科
3. Dactylolabis (Dactylolabis) diluta Alexander, 1922 ウスモンコケヒメガガンボ
4. Epiphragma (Epiphragma) subinsigne Alexander, 1920
5. Limnophila (Limnophila) japonica (Staeger, 1840) カスリヒメガガンボ
6. Pilaria melanota Alexander, 1922
7. Pseudolimnophila (Pseudolimnophila) inconcussa (Alexander, 1913) ホソヒメガガンボ
8. Erioptera (Erioptera) cervula Savchenko, 1972
9. Gonomyia (Gonomyia) sp.
10. Idiocera (Idiocera) teranishii (Alexander, 1921) 
11. Ilisia incongruens (Alexander, 1913)
12. Molophilus (Molophilus) sp. 1 (?pegasus)
13. Molophilus (Molophilus) sp. 2 (?trifilatus)
14. Styringomyia sp.(未採取)
15. Antocha (Proantocha) brevistyla Alexander, 1924
16. Dicranomyia (Dicranomyia) longipennis (Schummel, 1829) ホソバネヒメガガンボ
17. Dicranomyia (Dicranomyia) takeuchii Alexander, 1922 タケウチマダラヒメガガンボ
18. Dicranomyia (Melanolimonia) paramorio Alexander, 1926 
19. Dicranomyia (Sivalimnobia) euphileta (Alexander, 1924)
20. Geranomyia gifuensis (Alexander, 1921)
21. Geranomyia sp.
22. Limonia anthracina (Alexander, 1922)

ガガンボ科
23. Dolichopeza (Oropeza) candidipes (Alexander, 1921) オオユウレイガガンボ
24. Dolichopeza (Oropeza) inomatai Alexander, 1933 イノマタユウレイガガンボ
25. Indotipula yamata yamata (Alexander, 1914) マエキガガンボ
26. Nephrotoma virgata (Coquillett, 1898) キイロホソガガンボ
27. Tipula (Acutipula) gemma Alexander, 1953
28. Tipula (Yamatotipula) aino Alexander, 1914 キリウジガガンボ
29. Tipula (Yamatotipula) patagiata Alexander, 1924 クロキリウジガガンボ

※一部の参加者がイベント後さらにガガンボ採集を続けてくださり、以下の3種が追加されました。
Dictenidia pictipennis fasciata Coquillett, 1898 ベッコウガガンボ
Phylidorea (Phylidorea) melanommata (Alexander, 1921)
Ulomorpha nigricolor Alexander, 1924