Archive for 12月, 2021

一握りの土の中にいる生き物の数は?-探求型自然体験イベント「キョロロ生物部」⑥-

木曜日, 12月 2nd, 2021

\土の中には何種類、何匹くらいの生き物が生息しているんだろう?/
11月の「キョロロ生物部」は『数える』をテーマに一握りの土の中にいる生き物の数を数えることに挑戦しました。
自分の手一握りの土の中にどんな、どのくらいの生き物が生息しているのか予想し、実際に採集と観察を行いました。

カニムシです。クモに近い節足動物の仲間で、カニのような大きなハサミを持ちトビムシなどの小型節足動物を捕食します。今回の生物部の活動でも複数見つかりました。


キョロロ生物部では「予想する」「調べる」「まとめる・考察する」の過程を毎回体験します。
最初に土の中はどういった場所なのか、一握りの土の中に何匹くらいの生き物がいるのかを予想します。

さっそく外に出て実際に土を採集します!
ちょうど初雪が降った直後でしたが、林縁部の斜面の雪がないところを中心に、落ち葉も含めて採集しました。

採集した土一握りをバットに入れ、「吸虫管」という小さな昆虫を吸引力で捕獲する道具を使い集めていきます。

吸虫管には入らないちょっと大きめの生き物もいました。
こちらはガガンボの幼虫です。他にも、カマドウマ、アマガエル、ミミズ、カタツムリなど、土の中にはいろいろな大きさの生き物が生息していることがわかります。

集めた生き物を顕微鏡を使って観察します。
カニムシ、トビムシ、複数の甲虫の幼虫、ハエの幼虫、アリヅカムシ、ハネカクシ、ヤスデ、キセルガイの仲間、ダニの仲間、ヒメフナムシなどなど、今回は約30種類とたくさんの生き物を発見することができました!


一握りの中にいた生き物の数は、最大で150匹をカウントした参加者の方いました!
土の中にはたくさん生き物が生息していることを、採集・観察を通じて学ぶことができました。
最後に、土の環境が変わると(乾く・硬くなるなど)土の中の生き物がどう変わるかも考えてみました。


今年度の「キョロロ生物部」の活動は今回で終了となります。
毎回里山の生き物をテーマとした探究活動を通じて、科学的に自然を調べることの面白さや楽しさを体験していただきました。
毎回スタンプカードをご用意し、3回以上参加していただいた方は「ジュニア研究員」として、キョロロや周辺のフィールドを自身の探究活動の場として活用できるという特典があり、何人ものジュニア研究員が誕生しました。今後の活躍を期待しています!

\調べるって、楽しい!/
「キョロロ生物部」は里山の生き物をテーマに、予想→調べる→考察するという科学的な思考を毎回体験し、楽しく里山の生き物を調べます。科学の考え方を楽しく学ぶ体験を通じて、子どもたちの「探究する力」の育成を目指すイベントです。結論はみんな違ってみんな良し◎です。今年度は5月からスタートし、「観察する」「数える」「比べる」などをテーマに、自分たちの手で里山の生き物を調べ、探求します。生き物が好き、調べることが好き、地域の自然をもっと知りたい子どもたちのご参加をお待ちしています。

2021年のテーマ
10月:「タニシの大きさを測る」
9月:「ひっつき虫を集める」
8月:「ザリガニがいる・いない池の生き物を比べよう」

7月:「ダンゴムシ迷路の謎解きに挑戦」
6月:「オタマジャクシを色と形で分けてみよう」
5月:「水生生物の形や動きの観察」

11月定例探鳥会の報告 ハヤブサ現れる

水曜日, 12月 1st, 2021

実施日:令和3年11月27日(土)午前8時30分から11時30分まで

「30年ぶりのハヤブサ確認」

初雪の寒い朝、気温1℃、雪とあられが混じる雨の中でも時々青空にお日さまが出るころころ変わるお天気の中での探鳥会でした。

初めは野鳥の地鳴きの小さな声はするもののなかなか姿を見ることができませんでしたが、それでもカラ類の混群や、カワラヒワの群れを観察する中、冬鳥のツグミの姿をようやく見つけることができました。

越道川では、マガモ、カルガモ、カワガラス、セグロセキレイなどの水鳥を観察し、川原や周辺の水田では、ノスリ、カワラヒワ、カシラダカ、スズメ、ホオジロなどを観察しました。

松之山では30年ぶりとなるハヤブサの確認ができました。ハヤブサは、日本では留鳥になる鳥ですが、繁殖期以外は単独の行動をとるようです。内陸の松之山まで入ってくることもあることが確認された貴重な探鳥会でした。それにしても、飛んでいる一羽の確認はとても大変なことですが、今回は参加していた会員3人のカメラに収まり確認することができました。

今回は、コロナの感染拡大が少し収まり人の移動や会合などの制限が緩和される中、探鳥会の参加者も県内限定の制限を解除しました。今後は、感染防止対策をしっかりした上で大勢の方から野鳥の宝庫松之山を訪れていただきたいと思います。定例探鳥会は、毎月第4土曜日に実施しています。今後の12月から3月の真冬も実施します。

松之山野鳥愛護会では今月探鳥のしおりの増補改訂版を発行しました。ご希望の方は「森の学校」キョロロにお問い合わせください。

確認種 23種 
マガモ.カルガモ、キジバト、ノスリ、アオゲラ、ハヤブサ、カケス、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ゴジュウカラ、カワガラス、ツグミジョウビタキ、スズメ、セグロセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、カシラダカ 青字:冬鳥

探鳥会の様子

開会の様子樋口撮影

マガモ 樋口撮影

初雪で雪だるま 樋口撮影

ハヤブサ 樋口撮影

ハヤブサ 森撮影

ツグミ 村山撮影

田んぼで採餌するセグロセキレイ 村山撮影

よく見るとケラを咥えていた。村山撮影

群れるカワラヒワ 樋口撮影

カシラダカ 樋口撮影

観察会終了後の鳥合わせ 樋口撮影

途中で見事なツルウメモドキを見つける。 村山撮影

松之山野鳥愛護会発行の増補改訂版「探鳥のしおり」

しおりの中身