Archive for the '③イベントだより' Category

【開催報告】春季企画展講演会「地すべりと棚田-動く大地と共に生きる里山-」

日曜日, 6月 21st, 2026

6月21日(日)に春季企画展特別講演会「地すべりと棚田-動く大地と共に生きる里山-」を開催しました。

講演会では新潟大学 災害・復興科学研究所の渡部直喜先生から、「地すべりと棚田 -動く大地が育んだ里山のめぐみ-」と題してお話をいただきました。
渡部先生からは、地すべりのしくみや松之山に地すべりが多い地質的背景、そして地すべりによって形成された緩やかな斜面が棚田の立地条件となっていることなどについて、豊富な事例を交えながら分かりやすく解説いただきました。
地すべりは時に災害として人々の暮らしを脅かす一方で、棚田や里山の景観、農業を支える基盤ともなっていることをご紹介いただきました。
数百万年という大地の歴史と、現在の里山の景観や暮らしがつながっていることに、参加者の皆さんは深く聞き入っていました。

後半は、松之山朗読会の皆さんによる「杢坂と杢兵衛伝説」の朗読をご披露いただきました。
「杢坂と杢兵衛伝説」は、十日町市松之山兎口地区に伝わる地すべり伝説です。約500年前、地すべりによって村が危機に直面した際、杢兵衛は村人を救うため自ら人柱となったと伝えられています。
現在も「杢坂」の地名として語り継がれ、地すべりと共に生きてきた地域の歴史や、故郷を守ろうとした人々の思いを今に伝えています。
松之山朗読の会の皆さんによる迫力ある朗読に、会場は静まり返り、多くの参加者が物語の世界に引き込まれるように聞き入っていました。

講演では地すべりが棚田や里山の景観を生み出した背景について学び、朗読では地すべりと向き合ってきた人々の歴史や思いに触れました。
学術的な解説と伝承の朗読が重なり合うことで、地すべりの持つ「災害」と「恵み」の両面を実感することができました。

【自然を科学的に探究!】高校生のフィールドワーク

水曜日, 6月 10th, 2026

現在、多くの学校が授業や実習でキョロロを訪れており、里山の自然を舞台とした体験的な学びのシーズンを迎えています。
6月8日(月)、長野県飯山高等学校探究科1年生の皆さんが、「科学的な調査研究の方法」を学ぶことを目的としたフィールドワーク(野外調査)のため、キョロロを訪れました。
飯山高校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、探究科では科学的思考力や国際性を育むことを重視した教育が行われています。
飯山高校の皆さんによるキョロロでの学習活動は今年で10年目を迎えます。当日は野鳥班、ブナ林班、土壌動物班の3テーマ・4班に分かれ、キョロロの学芸スタッフや地域の自然観察インストラクターのサポートのもと、キョロロ周辺の里山で野外調査を行いました。


野鳥班は、キョロロの森の周辺を一定時間かけて歩きながら、環境ごとに確認された野鳥の種類や個体数を記録し、生息密度の推定に挑戦しました。
ブナ林班は、観光利用されているブナ林「美人林」において、人が多く訪れる地点とほとんど訪れない地点を比較し、林床に生育する植物の種類や土壌の硬さ、落ち葉の粉砕の程度などを調査しました。その結果から、美人林におけるオーバーユース(利用過多)の影響について考察しました。

土壌動物班は、同じく人の出入りの頻度が異なる美人林内の2地点で、土壌中に生息する小さな生き物たちを土壌ごと採集し、その後室内へ持ち帰ってルーペや顕微鏡を用いて観察し、種類や個体数を調べて地点間の違いを比較しました。

午後は、午前中の野外調査で得られたデータを整理し、班ごとに結果をまとめました。平均値や分散の算出、グラフの作成などを行い、調査結果を客観的に分析し、科学的にまとめる手法について学びました。


今回の体験が、自然を科学的な視点で捉え、自ら調べ、考えることの大切さや面白さを実感するきっかけになれば嬉しく思います。

【開催報告】生き物いっぱい!キョロロの田植え体験2026

日曜日, 5月 31st, 2026

5月31日(日)田植え日和のいい天気の中、毎年恒例の田植え体験を行いました!

キョロロの田んぼは「中干し」をしないお米作りをしています。
また田んぼの脇には「江(承水路)」を作って、水辺の生き物が暮らせる環境も整備しています。
水が1年中あることでオタマジャクシやメダカが泳ぎ、トンボの幼虫ヤゴやタニシなど、稲と一緒にいろいろな生き物も育つことができる田んぼです。

田んぼには予め「びびら」と呼ばれる道具で線を引いてあります。
線が交差する場所に苗を植えていきます。間隔は「1尺(約30cm)」です。

ご経験者やリピーターの皆さんも多く、順調に田植えが進みました。
とても丁寧に植えていただき、2枚の田んぼすべての田植えが完了しました。
子ども達は泥に足をとられながら、尻もちをつきながらも最後まで頑張ってくれました!

6/14(日)・6/28(日)には、田んぼの中に生え始めた草を除去したり、田んぼの中にどんな生き物がいるのかを調べるイベントが予定されています。
田植えで植えたお米と一緒にどんな生き物が育つのかな?田んぼの中に入ってそこに生える植物やオタマジャクシやメダカなどの小動物をキョロロの学芸員・研究員と調べてみましょう!