Archive for 6月, 2021

里山の生き物サポーターズ②-雑木林の間伐木を集めて昆虫ハウスづくり-を開催しました。

月曜日, 6月 7th, 2021

今年第2回目の「里山の生き物サポーターズ」を5/29(土)に開催しました。「里山の生き物サポーターズ」は里山管理活動と連動したボランティアの皆さんの協力による生物多様性保全活動です。里山の田んぼ、ため池、森、草地をフィールドにした里山管理活動を通して、みんなで楽しく生き物が暮らしやすい環境の創出や維持を目指しています。
今回は「間伐木を集めて昆虫ハウスづくり」をテーマに、間伐木を集め昆虫の産卵床や隠れ家(昆虫ハウス)をつくります。このような雑木林の低木伐採は燃料の確保のために行われてきた伝統的な里山管理で、松之山では「ボイ伐り」と呼ばれています。燃料として森林資源をほとんど使わなくなった現在、キョロロの森の中にもこういった管理が停止した低木の群落が多く見られます。間伐により林床の光環境が改善することで、林床を生息環境とする様々な植物の成長を促す効果もあります。

今回は昨年からの活動エリアを広げる形で、低木の間伐と間伐木を集め積み上げる活動を行いました。
子どもたちもたくさんお手伝いをしてくれました!
ノコギリを使って木を伐ったり、大きな枝やツルを運んだり大活躍です。


間伐した木々は数か所に積み上げ、昆虫の産卵床や隠れ家のための「昆虫ハウス」としました。
また林内がすっきりすることで、森林性の猛禽類なども生息しやすい環境になることも期待しています。

今回の間伐木の中にはキハダが含まれており、とても鮮やかな黄色い樹皮(内側)を観察できました。

またフジのツルがかなり多く、こちらも木工などの材料にいただいてきました。

液果を実らせる樹木、昆虫が訪花する虫媒花の樹木、子どもたちが遊べそうな木など、活動の中では“伐らない木”も皆さんと考えながら選定し活動を進めていきます。
森のようちえんなどの木育イベントの会場としても活用していきたいと考えています。

次回は7/31(土)に開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。

<里山の生き物サポーターズ>
キョロロでは里山管理活動と連動したボランティア型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」を実施しています。木を伐る、草を刈る、水環境を管理するといった伝統的な里山管理が、多くの生物の生息環境の創出や維持につながることに注目し、「里山の生物多様性の保全」という目標を共有しながら里山管理活動を参加者の皆さんと実践するものです。近年、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて、私たちの生存の基本である衣食住を担う「生態系サービス(生態系からの恵み)」の持続可能性が、重要なテーマとして認識されています。人間活動の影響を受けて持続的に維持されてきた里山は、持続可能な社会形成に向けた環境-人間のつながりを考える上で、実践的な学びや行動の舞台として適した場所の一つだと私たちは考えます。「里山の生き物サポーターズ」は、里山の生物多様性の保全を目的に誰もが参加できるボランティア参加型のイベントです。里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。

水生生物の形や動きを観察 -キョロロ生物部①-探求型自然体験イベント-

土曜日, 6月 5th, 2021

\調べるって、楽しい!/
「キョロロ生物部」は里山の生き物をテーマに、予想→調べる→考察するという科学的な思考を毎回体験し、楽しく里山の生き物を調べます。科学の考え方を楽しく学ぶ体験を通じて、子どもたちの「探究する力」の育成を目指すイベントです。結論はみんな違ってみんな良し◎です。今年度は5月からスタートし、「観察する」「数える」「比べる」などをテーマに、自分たちの手で里山の生き物を調べ、探求します。小学生以上を対象に、11月まで毎月第4日曜日(8月は第5)に開催します。生き物が好き、調べることが好き、地域の自然をもっと知りたい子どもたちのご参加をお待ちしています。

5月のキョロロ生物部では、水生生物の形や動きを観察することをテーマにしました。
今回のフィールドは「ため池」。森と田んぼをつなぐお米作りにとても大切な場所で、様々な水生生物が生息しています。
ますため池にはどんな生き物がいるか予想します。
アカハライモリ、メダカ、タニシ、ネッシー⁉といろいろな生物の名前があがります。

実際にため池に移動して水生生物の採集です
オオコオイムシ、マツモムシ、複数種のヤゴなどの昆虫、メダカ、シナイモツゴなどの魚類、その他にもマルタニシやヒルなどいろいろな水生生物が採集できました。

採集した生き物を水槽に入れじっくり観察します。
今回は泳ぐ・浮かぶ・歩く生き物に分けて、それぞれ選んだ2種の似ているとこと・違うところを見つけました。
同じ泳ぐ生き物でも、泳ぎに使っている体の部位が違うことに気づいたり、生き物の形の意味について考えを深めました。

参加していただいたみんながそれぞれの視点で観察をまとめました。
キョロロ生物部では、自分で考えることを大切にしています。
里山の生き物の観察を通して、自然を楽しく探求していきます!

次回は6/27(日)に開催します(満員御礼)。
次回はオタマジャクシをテーマとします。みんなで生き物を楽しく調べてみましょう!

色素異常のツチガエル展示中

水曜日, 6月 2nd, 2021

~珍しい黄色のツチガエルを展示中(6月23日まで)~

この色素異常のツチガエルはまつのやま学園の小学生二人が5月に松之山のとある池で魚捕りをしていたところ捕まえたもので、その後キョロロに持ち込まれました。ツチガエルは通常こげ茶色をしており、この個体とは全く雰囲気が異なります。

カエルの専門家である、佐藤直樹副館長(上越科学館)、三浦郁夫准教授(広島大学大学院理科学研究科)、丸野内淳介氏(元キョロロ協力研究員)によると、色素異常個体の中でも黄色みが強くやや透明感があり、目にメラニン色素がやや残っている点や、ツチガエル特有の皮膚のコブが判別しづらい点で、珍しい個体であるとの事でした。

このカエルは6月23日までキョロロで展示され、その後は広島大学で大事に飼育されながら研究される予定です。この綺麗な黄色のツチガエルをぜひ見に来てください。