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<開催報告>「探究×雪虫」モニターツアー【捕獲せよ!豪雪の上を歩く謎のムシ「雪虫」 -里山の自然科学館で生物多様性を調べる探究学習の旅-】

土曜日, 3月 11th, 2023

2月25日(土)に雪上に出現する不思議なムシ「雪虫」をテーマとした探究型自然体験のモニターツアーを実施しました。
オリジナル採集道具「吸虫管」づくり、雪虫の採集と観察・標本づくり、挑戦状ワークシートで館内見学など、雪虫をキーワードにした里山の生物多様性について、体験的に理解を深める内容です。

県内外から、たくさんの皆さんからご参加いただきました。
自己紹介や本日の流れの説明の後、さっそく「吸虫管」づくりからスタートです。

「吸虫管」は小さな昆虫専用の捕獲道具です。
今日のターゲット「雪虫」を採集する道具を自作しました。


その後、スノーシューを履いて野外で雪虫を探しました。今回はキョロロのすぐ隣のスギ林で探します。
淡雪がちらちらと降る雪景色の中、降雪中はなかなか雪虫を見つけるのは大変なのですが・・・

「あっ!いた!!」「こっちにもいた!」
幹の周りを探してみると、雪上にいる小さなムシたちが次々に見つかりました!




ここで先ほど自作した吸虫管の登場です!

管の先端を雪虫に近づけ、もう一方の管を吸うと、次々に小さな雪虫が管に入ってきます。
クモの仲間、トビムシの仲間、いろいろいそうです。



捕獲した雪虫を室内でじっくり観察します。
「足は6本ある!」「触角が長い」「これは足が8本だから・・・クモ⁉」
顕微鏡のモニターに映し出された雪虫たちが、どんな形をしているのか、どんな生き物の仲間なのかを調べていきます。



観察した雪虫を標本にすることが今回のゴールの一つ。
小さな雪虫を標本にするのはなかなか難しいのですが、みなさんピンセットや針などを上手に使いながら標本を作っていきます。
また科学的価値もった標本を残すために、ラベルに採集地・採集日・採集者などをしっかり記入し標本につけました。
今回採集した雪虫は、研究員がその後同定作業を進め、国際的な標本データベースへの登録も行います。


ワークシートをもとに、雪虫の特徴を探り、また「なぜ、雪虫は雪上に現れるのか?」について、各々考えてみました。
エサを食べるため、体温を温めるため、など子どもたちはいろいろなアイデアを考え、発表してくれました。



最後は挑戦状ワークシートをもって館内見学もお楽しみいただきました。

今回の探究体験にはキョロロの4名の学芸スタッフがサポートしながら進行しました。



スノーリッチな里山に現れる謎のムシ「雪虫」をテーマに、自然科学館で里山の多様性を体験的に探究しました。
雪が降る地域・季節ならではの体験として、雪虫をテーマとした体験を引き続き開催していきたいと思います。
ご参加いただいた皆様大変ありがとうございました。