Archive for 10月, 2023

連携企画展「学芸員・研究員が紹介したくてしかたがないスノウリッチ*とおかまち」

水曜日, 10月 18th, 2023

「森の学校」キョロロ・十日町市博物館(TOPPAKU)連携企画展「学芸員・研究員が紹介したくてしかたがないスノウリッチ*とおかまち」を開催します。キョロロとTOPPAKUの学芸員と研究員(計9名)が、日本遺産「究極の雪国とおかまち」の自然や文化について、それぞれの専門分野の視点でおススメするモノ・コトを写真やパネルを中心に紹介するミニ企画展です。

【会期】2023年10月21日(土)~2024年3月10日(日)
【展示見学ワークシート】
キョロロとTOPPAKU両館の展示を見学し完成を目指すワークシートです。ミュージアムで「探す」ことを楽しむビンゴタイプ、「考える」体験を通してキーワードの完成を目指す「謎解き」タイプの2種類。完成者にはプレゼントがあります。

■休館日
2023年11月30日(木)まで:火曜日
2023年12月1日(金)~2024年3月15日(金):火・水曜日
年末年始:2023年12月26日(火)~2024年1月1日(月) ※1月2・3日は開館
※祝日の場合は開館し、翌平日を閉館
▼「森の学校」キョロロ
▼十日町市博物館
▼日本遺産「究極の雪国とおかまち ー真説!豪雪地ものがたりー」スノウリッチツーリズム

秋の味覚を探そう!キノコ観察会

火曜日, 10月 17th, 2023

10月10日(月)にキョロロの森で見られるキノコを観察する自然体験イベント「キノコ観察会」を開催しました。観察会の講師は地元のキノコ名人である保坂清先生。毎年秋の定番イベントだけあって、参加者の中にはキョロロの研究員よりキノコに詳しいベテランも。講師、研究員、参加者でお互いに教え合いながら観察する会となりました。

野生のキノコは柔らかく繊細なのでビニール袋よりも籠を使った方が傷めずに採集できます。参加者各グループが買い物かごを持ってキョロロの森にキノコ探しに出発です!

観察会では食べられるキノコは勿論、食べるのに適さないキノコも採集してその特徴を学びます。今年の夏は雨が少なく地面が乾燥していたため、秋のキノコへの影響が心配でしたが、9月以降の雨のお陰で思った以上に多くのキノコを採集・観察することができました。

美しい紫色のムラサキアブラシメジモドキ。カサや柄が強い粘液で覆われているのが特徴です。こんなに派手でも可食のキノコです。

里山の秋の恵みはキノコだけではありません。むかご(自身のクローンを作るヤマイモの珠芽)やミツバアケビの実も見つけることができました。

特に多く採集できた可食のキノコはチチタケやチリメンチチタケ。チチタケの仲間は傷をつけるの白色の乳液を出すことが特徴です。チチタケとチリメンチチタケは可食ですが、チチタケの仲間には毒性が不明の種もいるのでご注意ください。
 

採集後はキョロロの森にある小屋の駐車場でキノコの鑑定会を行い、採集したキノコの特徴を学びました。一部の食べられるキノコはその場でバター炒めにして、舌でその特徴を学びました。加熱するととろとろになるマスタケや独特の歯ごたえのチチタケなど、里山の秋の恵みを見て、触って、味わって学ぶことができる観察会となりました。


 

 

2023年夏季企画展「昆虫総選挙」の結果報告

月曜日, 10月 16th, 2023

 砂漠地帯のように暑かった夏は嘘だったかのように寒くなり、10月9日をもって夏の企画展「キミもめざせ!ムシはかせー 虫博」は閉幕となりました。まだアカトンボやチョウなどが飛び、コオロギたちは鳴いていますが、全体的に昆虫はめっきり少なくなりました。いわゆる昆虫シーズンは終わりを迎えているように思います。

 さて、今回の夏の企画展でも来館者にアンケート(昆虫総選挙)を実施していました。昆虫の「目(もく)」というグループ単位に焦点を当てて紹介する企画展でしたので、みなさんのお気に入りの目(1~3位)と、展示を見て印象の変わった目について伺っていました。今回は合計で355名の方にご回答いただき、内容は以下の通りとなりました。

 お気に入りの目第1位に輝いたのはやはりコウチュウ目でした!カブトムシ、クワガタ、ゲンゴロウなど大人気のグループが含まれるのでこの人気は揺るぎません。これを選んだ理由として「かっこいい」「硬い」「強そう」「カブト・クワガタが好きだから」というものが圧倒的に多かったです。そして第2位に選ばれたのはチョウ目で、「かわいい」「綺麗」「美しい」という理由がほとんどでした。第3位トンボ目で、「かっこいい」「きれい」「素早く飛べる」「オニヤンマが好き」などの理由で選ばれていました。トンボ目はお気に入りの目第2・3位ではどちらも一番票が多く、どの層の人にも好印象を持たれる傾向があるように見えます。続いて4位カマキリ目で、「(前脚がカマになっていて)かっこいい」「つよい」「飼ったことがある」という理由が目立ちました。その次は大きく差がついて、第5位カメムシ目がランクインしました。カメムシというと臭くて嫌なイメージが強いかと思いましたが、「セミが好き」「タガメが好き」というコメントが多く、これらがカメムシ目のグループであることがしっかりと理解されていました。また、「くさいから」「においが最高」という意外なコメントも見られました。またお気に入り第一位で、5位までには入らなかったものの、お気に入り第2・3位で5位以内に入っているバッタ目もなかなかの人気があるようです。

 次に展示を見て印象が変わった目に移ります。こちらで第1位に輝いたのはなんとゴキブリ目でした。その理由には「意外と種類が多い」「意外と気持ち悪くなかった」「かわいく・かっこよく見えてきた」「カマキリに近いグループ」というものが多かったです。家で突然現れると怖いでしょうが、博物館などで展示され、逃げないとわかっているゴキブリであれば、冷静にその姿を見ることができたのかもしれません。第2位カメムシ目で、「セミ・タガメがカメムシ目だとは知らなかった」「刺す口がある」「すべての種がくさいわけではない」というコメントが目立ちました。第3位は、お気に入りの目で第2位であったチョウ目で、「チョウとガが同じ仲間」「ヨナグニサンが想像以上にでかい」というコメントが多く見られました。次の第4位のハエ目は「種類が意外に多い」という理由で、第5位のカマキリ目は「意外に種類が少ない」「ゴキブリ目と近い仲間」という理由で選ばれていました。

 これらの全ての票を合わせた総合順位では、お気に入り第1位の1~4位と違いはなく、第5位でカメムシ目がバッタ目に変わっただけでした。やはり、コウチュウ、チョウ、トンボ、カマキリ、バッタという昆虫の大看板たちの人気は不変の事実でした。皆さんの予想はいかがだったでしょうか。

 そして最後に誰からも票をもらえなかったシロアリモドキ目を応援したいと思います。前脚から糸を出すことができるという面白い特徴を持つ虫で、生体展示もありましたが、意外な結果となってしまいました。新潟県にはいないと考えられ(静岡県以南に分布)、生息場所も樹皮のすき間や落ち葉層であるため、身近でない・見つけづらいという点と、何より目の名前に唯一「モドキ」というインパクトの薄い言葉が入っているという点も影響しているのかもしれません。シロアリに似ているという事からつけられた和名ですが、実際はナナフシ目に近いと考えられているグループです。最下位を逆手に取って知名度が上がれば幸いです。

 大変暑い夏の中、たくさんの方々にお越しいただきありがとうございました。次回もまた皆様に楽しんでいただける企画展を作成できるよう尽力いたします。今後ともよろしくお願いいたします。