2023年11月のハナアブしらべ活動報告

今年も11月に突入し、日中でも肌寒い日が多くなってきました。しかし、ここ数日は日本で温かい日が続き、まだハナアブなどの昆虫も少量ながら活動していました。ハナアブの好むセイタカアワダチソウやユウガギクなどの花がまだ一部咲いており、採集の条件はなかなか良かったのですが、やはりこの時期は種数・個体数ともに少なくなります。今回は以下の通り5種が確認されました(もう1種確認しましたが採集できず)。松之山初確認の種はいませんでしたが、ヘリヒラタアブはこれまで大厳寺高原で1個体のみ確認されていましたので、キョロロでは初確認となりました。

①ホソヒラタアブ

②オオハナアブ

③ヘリヒラタアブ

④ホソヒメヒラタアブ

⑤ミナミヒメヒラタアブ

その後は今年のハナアブしらべの成果を振り返りました。去年の段階で松之山で94種が確認されていましたが、今年はハナアブしらべやその他の個人的な調査により、12種が新たに松之山で確認され、合計106種となりました。ハナアブしらべもこれで4年目となり、松之山産ハナアブのデータがだいぶ蓄積されてきましたが、これでもまだまだ多くの種が未発見だと思われます。これまでの調査地も松之山の中でのほんのごく一部でしかありません。おそらくは松之山には150種くらいは生息しているのではないかと想像します。自然の奥深さやそれを調べる大変さというのを感じるばかりです。

次回からはハナアブしらべでは、自然を調査するのではなく、標本を調査していただきます。一般にレベルとしては高校生~大学生レベルの内容になるかと思いますが、顕微鏡を用いたハナアブの同定方法を学んでいく予定です。この同定方法はハナアブに限らず、ほぼ全ての昆虫やその他の小動物にも使える技術ですので、虫の知識を深めたい方には大切な技術になります。雪の積もる時期にもなっていきますが、ご関心のある方はぜひ参加してみてください。次回は12/3(日)10~12時に実施します。時間帯も変わりますのでお間違いのないようお願いいたします。

Comments are closed.