雪シンポジウムin十日町(第17回里山学会)のご報告

昨日、雪シンポジウムin十日町が開催されました。
大雪の中での開催でしたが、足を運んで下さった皆様、本当にありがとうございました。
その様子を少しですが、ご紹介したいと思います。

午前中には「雪国十日町の暮らしと文化」というタイトルで
元博物館長の竹内俊道氏による基調講演がありました。

昔の写真から雪とともに生活する人々の様子が伝わってきて、とても勉強になる内容でした。
また、昔の文献には「雪が降って困った」という内容の記述が少ないというお話が印象的でした。
それだけこの地域の人たちは雪を受け入れて生活してきたのかもしれませんね。

午後の部は、まず「三つの大災害を受けて…十日町市の状況報告」という基調報告がありました。

報告を聞き、改めて昨年の災害の大きさを実感しました。
報告では、この災害から学んだことを今後の十日町市の安心・安全へと
つなげていくという力強い内容でした。

続いては、パネルディスカッション。
パネルディスカッションの中の1テーマ「雪のめぐみを活かした地域活性化策」が
キョロロの第17回里山学会と共同開催されました。

まずは議論のヒントとなるよう、4名のパネリストから事例紹介をして頂きました。

1人目の雪国観光圏事務局プランナーの井口智裕氏からは
行政区を越えた雪国観光圏という立場として降雪期に各地域で行われる雪まつりをつなげ、
連携することで雪国の魅力を大規模に発信する取り組みについて紹介して頂きました。

2人目の里山のめぐみ案内人の会の小口成一氏からは
市民が中心となって始めたガイド組織の代表として、
観光客へのスノーシューガイドの様子、反響について紹介して頂きました。

3人目の新潟大学農学部の伊藤亮司先生からは、
十日町市の重要な産業である米の流通に関する研究者として、米マーケティングの現状と
十日町市で雪を用いた米のブランド化の可能性や課題についてお話し頂きました。

4人目の津南町の上村憲司町長からは行政の立場として、
雪下人参や雪室での野菜貯蔵といった雪を用いた野菜栽培の取り組みと
今後の展望について紹介して頂きました。

その後、雪を使った地域活性化策や活性化を行う際の課題点、
市民、研究者、企業、行政の効果的な協力体制について、会場を含めて意見交換を行いました。

異なる立場からの意見をもらうことで、今まで考えもしなかった意見なども出てきました。
課題解決へのヒントが出る一方で、降雪期の移動手段の確保、間をつなぐ組織の不在、
雪が米にもたらす効果の数値化の難しい点などの課題も多く挙がりました。
しかし、このように様々な立場の人が意見を出し合う機会を持つことで
その課題も少しずつ解決に近づいていくのではないかと感じるパネルディスカッションでした。

有意義な議論の場を持つことができ、パネリストの皆さま、会場の皆さま、
本当にありがとうございました。

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撮影日:2012年2月1日

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