松之山内の杉林で「ツチアケビ」という珍しいランの仲間の植物が見つかりました。
ツチアケビは葉を持たない植物で、光合成をせず地中の菌類からの養分供給に完全に依存して生育しています。このような植物は「菌従属栄養植物」と呼ばれ、ギンリョウソウもこの仲間になります。
暗い林床に生息し、ウインナーソーセージのように見える赤い液果(写真)をつけるのが特徴的です。中には小さなタネがたくさん入っており、ヒヨドリなどの鳥が訪れ消費しその糞によりタネが散布されることが近年明らかになっています。
参考文献:Suetsugu K, Kawakita A, Kato M (2015) Avian seed dispersal in a mycoheterotrophic orchid Cyrtosia septentrionalis. Nature Plants,1: 15052.
ご案内いただいた地域の方からは、子どものころ「ツチアケビが生えている場所から虹が出る」と聞いた、という素敵な逸話もお聞きしました。