【市民協働調査】雪虫しらべの報告とご案内

先月の2022年12月17日(土)に松之山における雪上に出現する昆虫やクモを来館者と一緒に調べる市民協働調査イベント、「雪虫しらべ」を開催しました。本調査は積雪期に毎年開催しており、今年度は12月から3月の第3土曜日に開催しています。12月17日(土)の調査では5名の参加があり
調査日の積雪深は29cm。調査開始時は天候は晴れていましたが、調査中は雲が出てきたため気温が下がり、5~4℃でした。
積雪量は多くなかったため、スノーシューは付けずに長靴だけで出発。

キョロロの森に入った直後の斜面や雪上にはクロユキノミやコシジマルトビムシを見つけることができました。

見つけた雪虫や吸虫管やフィルムケースに入れて持ち帰ります。

採集の終わり間際にはちょっと珍しい変わった形をした昆虫、「クモガタガガンボの仲間」を見つけることもできました。

採集した雪虫はキョロロ館内で観察・同定を行いました。同定の結果、今回の調査では8目19科25種の雪虫を確認できました。

今回の調査ではこれまでに記録のないナミハグモの一種が見つかりました。触肢(アゴのすぐ横にある小さな足のような器官)の形態が変わっており、未記載種または日本未記録種の可能性があります。

また、大きさが倍近く異なるクロユキノミが見つけることができました。キョロロ周辺で本格的に雪が積もり始めたのが12月15日。もしかしたらクロユキノミは積雪が始まるかなり前から活動を始め、冬期の間に何度か卵を産んでいるのかもしれません。

雪虫しらべは今月の第三土曜日、1月21日(土)にも開催します。現在の積雪深は2m。12月の調査よりもずっと深い積雪があり、出現する雪虫にどのような変化があるのか楽しみです。

<2023/12/17の雪虫しらべにおける確認種>
クモ目
1.ナミハグモ科ナミハグモ属の一種※ ♂
2.キシダグモ科の一種(未成熟)
3.ヒメグモ科の一種(未成熟)
4.マルサラグモ ♀
5.ヤガスリサラグモ ♂♀
6.アシナガグモ科の一種 (未成熟)
7・カラオニグモ (未成熟)
8.コガネグモ科の一種 (未成熟)
9.トラフカニグモ属の一種 (未成熟)
10.エビスグモ属の一種 (未成熟)
オビヤスデ目
11.オビヤスデ科オビヤスデ属の一種 ♀
トビムシ目
12.クロユキノミ
13.サヤツメトビムシ
14.コシジマルトビムシ
15.チャマダラマルトビ
カメムシ目
16.ハトムネヨコバイの一種 ♀
コウチュウ目
17.ハネカクシ科の一種
チョウ目
18.カレハガ科の一種 (幼虫)
19.ヒトリガ科の一種 (幼虫)
20.チョウ目の一種 (幼虫)
ハエ目
21.ガガンボダマシ科の一種 ♀
22.クモガタガガンボ属の一種 ♂♀
23.ユスリカ科の一種 ♂♀
24.ブユ科の一種 ♀
ハチ目
25.タマバチ科の一種 ♂♀

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