Archive for 3月 29th, 2021

「2020年度ハナアブしらべ」の成果・「松之山のハナアブ図鑑」公開のご報告

月曜日, 3月 29th, 2021

今年度春から始まった市民協働調査「ハナアブしらべ」では、キョロロ周辺に生息するハナアブを調査しました。あまり馴染みのないハエの仲間(ハエ目)の昆虫ですが、種数が多く、花に来ることが多いため、見つけやすい昆虫の一つです。マイナーな昆虫ではありますが、過去の研究記録を見ると、新潟県では115種、十日町市では17種の記録がありました。松之山に地域を絞ると、ハナアブ科の記録はなんと0種でした。つまり、採集できたハナアブは全て松之山未記録となるのです

 そんな状況で始まった「ハナアブしらべ」でしたが、個人的な調査も含め、1年間で合計38種のハナアブが松之山から採集されました(下の写真:左)。大きな発見としては、参加者の一人である村越心士君(お名前公表の承諾を頂いています)が新種となる可能性が高い珍しいハナアブ(下の写真:右)を採集した事です。メス1個体しか採れておらず、より良い新種記載のためオスをぜひ採集したいところです。また、日本初の可能性が高い1種や新潟県初となる10種も含まれていました。約一年間で得られた38種ですが、調査は十分とは言えず、感覚的には少なくともこの2倍の種数が松之山に生息していると考えています。少なくとも松之山新記録となるハナアブを採集できる可能性はまだまだ高いと言えます。

  

 今回得られた38種について簡単に写真で紹介する「松之山のハナアブ図鑑ver.1」を作成しました(下の写真(表紙))。現在未完成の段階で、今後種数を増やしていき、種の検索表を加えるなどして種を同定するための情報を充実させていきたいと思います。この図鑑はHPから自由にダウンロードできますので、興味のある方はぜひ見ご覧ください(こちらのリンクから→ http://www.matsunoyama.com/kyororo/publication/)。この記録は今年度の「キョロロ研究報告」にて正式に発表する予定です。

 ハナアブしらべは来年度も引き続き5月から11月まで毎月第2土曜日13:30から開始する予定です。ハナアブに少しでも興味が湧いた方、まずは松之山初となるハナアブの採集者として名を残したい方など多くの皆さんの参加をお待ちしております。心士君が採集した新種の可能性が高いハナアブの雄の採集にもぜひご協力ください!

棚田の狩人 サシバ初認  定例探鳥会の報告

月曜日, 3月 29th, 2021

キョロロ市民協働調査 3月の定例探鳥会の報告

2021年3月27日 午前5時30分から8時30分まで

積雪2mのキョロロの森を凍み渡りで探鳥会に向かった。ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、コゲラなどのかわいい鳴き声を聞きながら、時々カケスの物まねに首をひねった。珍しいキバシリやヤマセミを確認できた。

夏鳥のサシバはまだ雪がたっぷりと残っている棚田に戻ってきた。雪の消え際でカエルをはじめとした餌を探すのでしょう。

確認種 26種

オシドリ、カルガモ、キジバト、カワウ、トビ、サシバ、ヤマセミ、コゲラ、アオゲラ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス。エナガ、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、カワガラス、ジョウビタキ、スズメ、カワラヒワ、ホオジロ、カシラダカ

写真に納まった鳥

カワウ 樋口撮影

オシドリ 森撮影(探鳥会終了後の写真)

カルガモ 樋口撮影

サシバ 樋口撮影 この春初認

サシバ 樋口撮影

コゲラ 村山撮影

アオゲラ 村山撮影

キバシリ 樋口撮影

ジョウビタキ 村山撮影

ジョウビタキ 樋口撮影

カシラダカ 樋口撮影

凍み渡りでの探鳥会

キョロロの夜明け

キョロロの森のブナに昇る朝日

ブナの雄花が開き始めていました。

 

斜面ではブナの根元が解けて見える根開けが見られるようになりました。

比較的新しいニホンカモシカの足跡が見られました。

参加者のお一人が探鳥会終了後に撮影した写真

ノスリ 森撮影

モズ 森撮影