2023年11月のガガンボしらべ活動報告

2023年11月11日に3度目となるガガンボしらべが実施されました。キョロロの森に生息するハエ目ガガンボ上科に属する昆虫を調べる市民参加型調査で、おそらく世界でも類を見ないイベントになります。木々の葉もどんどん落ち始め、活動する昆虫も全般的にだいぶ減ってしまいましたが、実はこの時期、ガガンボの未記載種(新種として記載できる種)を最も採集しやすいタイミングであると考えています。その理由はヒメガガンボ科で秋から冬前頃に発生する、Cladura属というグループのガガンボが多く発生するのですが、このグループに多くの未記載種がいるためです。

さて、そんなタイミングではありましたが、天気は残念ながら雨で気温も極めて低いという、ガガンボ採集には向かない状況でした。ガガンボは体、脚、翅が細長く柔らかいため、濡れた網で捕まえると翅が濡れて縮れてしまったり、吸虫管で吸う際に水によって管の壁面に張り付いてしまったりするからです。今回は終始弱い雨が降り続き、体が徐々に冷えてくるような状況でしたので、お子さんたちにはなかなか厳しい調査となりました。

しかし、このような条件でも、ガガンボは動きが鈍く採集が容易なため、いくらか採集することができました。7種のヒメガガンボ科が確認され、そのうち1種は前から確認されていた未記載種、もう一種はキョロロで初めて確認した新潟県未記録の種でした。7種のうち4種はCladura属の種で、この時期を代表するガガンボのグループであることが確認できました。一方今回最も多く確認できた種は、お子さんたち全員が採集できたホソバネヒメガガンボで、キョロロ遊歩道上で水たまりのようになっている場所の周辺で大量に集まって歩いていました。キョロロでは5月ごろから11月中旬まで成虫が見られますが、この時期が最も個体数が多くなるタイミングのようです。

今回のガガンボしらべで、新種(として記載できる種)が身近であるという事を体感できました。ガガンボに限らず、一般に興味を持たれないマイナーな生物ではこのようなことがよく起こり得ます。このような生物の存在こそが、生物多様性の奥深さを感じさせてくれるように思います。大変厳しい条件の中ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

Comments are closed.