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つまり市民里山学会の報告

水曜日, 2月 11th, 2009

先週の土曜日、2月7日に、十日町市と津南町に存在する4つの自然愛好団体(十日町市博物館友の会植物研究グループ、城山植物調査グループ、松之山自然友の会、津南町自然に親しむ会)が一堂に集まって各自の活動を発表する「つまり市民里山学会」が開催されました。
 これまで、十日町地域、松代地域、松之山地域、津南町の市民団体はそれぞれ独自に活動をしていましたが、お互いの交流はあまりなかったので、このようにお互いの活動を聞いて交流するのは初めての機会でした。

 まず、この地域の自然史研究の第一人者、樋熊清治先生から、今回は団体としての発表だが、今後はもっと個人にも開いていきたい、とのご挨拶を頂きました。

 最初の発表は、松之山自然友の会の小口成一さんから、松之山須山での花暦調査の成果についてお話しして頂きました。2年間で249種もの花が確認され、この成果はこの地域を訪れる観光客へのガイドとなっており、地域活性化への役割も期待されています。
 次に、津南町自然に親しむ会の中沢英正さんから、この地域のガ類群集について、植生とからめてお話頂きました。中沢さんによると、この地域のガは調査不足で、今後調査を進めれば、貴重なガがまだまだ見つかる可能性が高いということです。
 次に、城山植物調査グループの松山金一さんから、松代城山で行ってきた植物調査について発表して頂きました。調査してみたら、色々と貴重な植物があり、この地域の自然の素晴らしさを再認識する内容でした。
 最後に、十日町市博物館友の会植物研究グループの高橋勝芳さんから、これまでの活動についてお話頂きました。このグループは、植物研究グループと名前が付いていながら、植物からキノコ、チョウまで幅広く調べているのが印象的でした。

 総勢50名が参加し、盛況のうちに終わりましたが、いくつか課題が見つかりました。認識出来ていないものも含めたくさんあると思いますが、いくつか例を挙げると、この地域には自然に精通した団体・個人がもっとたくさんあるのに、それらを把握しきれなかったので声を掛けられなかったこと、各個人がもっと力を伸ばす必要があること、知識を共有して保全や地域活性化にどのように活用するか、などです。しかし、これまで交流がなかった団体・個人が交流する場を持てた、という点では初めの一歩を踏み出したので、今後この会をもっと発展させ、様々な可能性を追求していけたらと思います。

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撮影日:2009年2月11日