【調査報告】7~10月の「森のクモしらべ」のご報告
木曜日, 10月 13th, 202210月1日(土)にキョロロの森のクモを調べる市民協働調査「森のクモしらべ」を実施しました。毎月第一土曜日に開催している本調査ですが、7月から9月までの調査のご報告をしていなかったので、本記事では10月での調査の報告と合わせて報告させていただきます。
森のクモしらべはキョロロの森のブナ林やその林縁部、林床に生息するクモを参加者とと一緒になって集め、どんなクモがキョロロの森にいるのかを調べる調査イベントです。昨年度までは十日町市内の水田や公園で調査を行ってきました。
草木の枝や葉にいるクモはビーティング法という採集方法で集めました。枝などを棒で叩くと、その上にいるクモは驚いて下へと落ちてきます。ビーティング法はこうして落ちてきたクモを傘やネットで受け止めて採集する採集方法です。
クモは昆虫と異なり飛んで逃げることは無いので、受け止めたクモは吸虫管やフィルムケース、チャック付きのビニール袋などに入れて集めます。
草木の上だけでなく地表にも徘徊性のクモを見つけることができます。こうしたクモは見つけ次第吸虫管で捕まえるか、「ふるい」を使って捕まえるシフティング法で採集しました。採集したクモはキョロロに戻って参加者と一緒に観察してその種を同定しました。
8、9月の調査では参加者はいなかったのですが、7月の調査では2名、10月の調査では3家族6名のご参加があり、4回の調査で56種のクモが確認できました(7月:22種、8月:12種、9月:30種、10月:14種)。
今回の調査では新たにタナグモ科のクモであるフタバヤチグモとムサシヤチグモ、コクサグモ、コモリグモ科のチビコモリグモ、ワシグモ科のヨツボシワシグモ、ネコグモ科のコムラウラシマグモの6種を十日町市で新たに確認することができました。これにより十日町市内で155種のクモが確認できたことになります。
森のクモしらべは来月11月5日(土)が今年度最後の調査となります。晩秋になるとあまり成体のクモは現れないのですが、ヤチグモの仲間や一部のサラグモは秋から冬にも成体が現れます。まだ市内で見つかっていない種を狙ってみたいと思いますので、興味がありましたら是非ご参加ください。
【7~10月の森のクモしらべ確認種リスト】
※カッコ内は採集できた月
- マシラグモ科の一種(9月)
- ユウレイグモ属の一種(7月)
- ハネグモ属の一種(9月)
- マネキグモ(9月)
- ヒナハグモ(8/10月)
- クサグモ(7月)
- コクサグモ(10月)
- ムサシヤチグモ(9月)
- トガリヤマヤチグモ(10月)
- フタバヤチグモ(9月)
- キタハリゲコモリグモ(7月)
- キタコモリグモ属の一種(7月)
- チビコモリグモ(9月)
- アズマキシダグモ(9/10月)
- ハシリグモ属の一種(10月)
- エビグモ属の一種(10月)
- オオヒメグモ(7月)
- スネグロオチバヒメグモ(9月)
- オナガグモ(9月)
- カニミジングモ(9月)
- ニホンヒメグモ(7/8/9月)
- ムナボシヒメグモ(7月)
- コアカクロミジングモ(9月)
- ヤギヌマミジングモ属の一種(8月)
- カンサイアリマネグモ(9月)
- キララシロカネグモ(7月)
- コシロカネグモ(7月)
- アシナガグモ(7月)
- ヤサガタアシナガグモ(9月)
- アシナガグモ属の一種(9月)
- ジョロウグモ(8/9/10月)
- カラフトオニグモ(7月)
- カラオニグモ(9月)
- ヌサオニグモ(7月)
- キザハシオニグモ(7月)
- クマダギンナガゴミグモ(7/8月)
- ヨツデゴミグモ(9/10月)
- トゲグモ(7月)
- シボグモ属の一種(9月)
- ワカバグモ(7/8/9/10月)
- トラフカニグモ(7月)
- ハナグモ(8/10月)
- コハナグモ(7/9/10月)
- チクニエビスグモ(7月)
- ヨツボシワシグモ(9月)
- コムラウラシマグモ(9月)
- ウラシマグモ属の一種(8月)
- コマチグモ属の一種(9月)
- フクログモ属の一種(8/9月)
- アオオビハエトリ(7/8/9月)
- ネコハエトリ(10月)
- デーニッツハエトリ(9/10月)
- マミジロハエトリ(9月)
- タイリクアリグモ(7月)
- ヤマトハエトリグモ属の一種(8/9/10月)
- カラスハエトリグモ属の一種(7/9月)