Archive for 10月 23rd, 2022

川虫しらべ 2022年10月活動報告

日曜日, 10月 23rd, 2022

今回の川虫しらべは、8名の方にご参加いただきました。
水温は約12℃強と、小坪野沢の冷たい水にも負けず、皆さん一生懸命に川虫を採集してくださいました。

今回確認された種は17種です:
モンカゲロウ、🈟フタスジモンカゲロウ、シロハラコカゲロウ、ニホンカワトンボ、ミルンヤンマ、オニヤンマ、フタツメカワゲラ属の一種、フサオナシカワゲラ属の一種、シマアメンボ、センブリ属の一種、🈟ウルマーシマトビケラ、🈟チビマルヒゲナガハナノミ、ヒメハバビロドロムシ、ガガンボ属の一種、サワガニ、🈟ミミズ類、カワニナ(順不)


今回の調査で確認された川虫(一部)
1. モンカゲロウ、2. オニヤンマ(左上にはサワガニ)、3. フタスジモンカゲロウ(左)とフサオナシカワゲラ属の一種(右)、4. ウルマーシマトビケラ、5. チビマルヒゲナガハナノミ、6. ガガンボ属の一種

今回採れた川虫のなかでイチオシは「ヒメハバビロドロムシ」。
細流に普通の種ではありますが、シックな色合いと無骨な姿形がカッコイイんです。
写真では大きく写していますが、実際は体長3 mm程度しかない小さな甲虫で、河川に沈んだ流木の隙間などに隠れて生活しています。


ヒメハバビロドロムシ Dryopomorphus nakanei Nomura, 1958

次回の川虫しらべは、11月27日(日)10:00~12:00、今年度最後を予定しています。
初雪のシーズンになりますが、雪虫の幼虫(特にクロカワゲラ類)が採れることを期待して、冷たい川に挑みたいと思っています。
寒くてもヘッチャラだぜ!という元気のある方のご参加をお待ちしております。

【活動報告】タネを集めて森づくり。10月の「里山の生き物サポーターズ」

日曜日, 10月 23rd, 2022

10月の「里山の生き物サポーターズ」は、タネを集めて森づくりをテーマに、実りの季節を迎えた里山を歩きいろいろな植物のタネを集めました。
キョロロでは植樹・間伐・育林などブナを中心とした里山の森づくり活動を体験メニューや地域の方々との活動の中で実践してます。
植樹の際に気を付けていることは「種子・苗の地産地消」です。長距離移動できない植物には、長い時間の中で個々の環境に適応しながら、地理的に遺伝的な違いが生じています。
人為的な植樹によって、地域の植物がもともと持っている集団の遺伝的な特徴を壊さないよう、地域産の種子や苗の確保に努めています。
<参考>広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/2nd-chukiseika20.pdf


里山を1時間半ほど歩き、秋の自然観察やカエルの観察も楽しみながら、ブナ、コナラ、クリ、ホオノキ、ヤマナシ、リョウブ、エゾユズリハ、オニドコロ、スギ、ヤマノイモ、ツルアリドオシ、ノブドウ、ノササゲ、アキノエノコログサ、アメリカセンダングサなど、10種以上のタネを採集しました。
動物への報酬(果実)を持っているもの、風で飛ぶもの、動物に食べられないように防御しているもの、鮮やかなor地味な色のもの、実に多様です。
タネからみた植物の戦略も考えながら、散策と採集を楽しみました。

採集したタネの一部は、用意したプランターに参加者の皆さんで植えました。冬を越し、来年芽生えてくるのを楽しみにしています。芽生えた苗は、キョロロの森づくり活動の中で活用していきます。

<協力者募集中!>「里山の生き物サポーターズ」は里山管理活動と連動した生物多様性保全活動イベントです。今年度も里山の田んぼ、ため池、森、草地をフィールドにした里山管理活動を通して、みんなで楽しく生き物が暮らしやすい環境の創出や維持を目指します。次回はビオトープの冬支度です!