【SDGs】里山の生き物サポーターズ(6/6)
金曜日, 6月 12th, 2020キョロロでは今年度から、里山管理活動と連動した市民参加型の生物多様性保全活動「里山の生き物サポーターズ」をスタートしました。
木を伐る、草を刈る、水環境を管理するといった伝統的な里山管理が、多くの生物の生息環境の創出や維持につながることに注目し、「里山の生物多様性の保全」という目標を共有しながらこういった里山管理活動を参加者の皆さんと実践するものです。
近年、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて、私たちの生存の基本である衣食住を担う「生態系サービス(生態系からの恵み)」の持続可能性が、SDGsの達成の中でも重要なテーマとして認識されています。人間活動の影響を受けて持続的に維持されてきた里山は、持続可能な社会形成に向けた環境-人間のつながりを考える上で、実践的な学びや行動の舞台として適した場所の一つだと私たちは考えます。
「里山の生き物サポーターズ」は、里山の生物多様性の保全を目的に誰もが無料で参加できる市民参加型のイベントです。里山に関わる一人一人の行動が、里山の持続的な暮らしと生物多様性のつながりの実感に結び付き、本活動が里山の生物多様性の保全やその達成に向けた教育資源となることを期待しています。
初回は新型コロナウイルス感染拡大を受けた休館中に予定していたためスタッフのみで活動を行いましたが、6月6日(土)に一般参加者を募っての今年度の初回を開催しました。
今回は「キョロロの森」内にある遊歩道沿いの低木を伐採する里山管理活動を行い、伐採木を積み上げて昆虫など様々な生物が育つ環境の創出を目的としました。
低木伐採は燃料の確保のために行われてきた伝統的な里山管理で、松之山では「ボイ伐り」と呼ばれています。
燃料として森林資源をほとんど使わなくなった現在、キョロロの森の中にもこういった管理が停止した低木の群落が多く見られます。
低木伐採により林床の光環境が改善することで、林床を生息環境とする様々な植物の成長を促す効果もあります。
伐採した低木はコナラ、クリ、リョウブ、ウリハダカエデ、ヤマモミジ、フジなど多様な樹種です。
地元の方からは材の特徴を活かした利用に関する伝統知もいろいろお話を伺う機会になりました。
伐採した低木は1mほどの長さに切りそろえ、野外体験活動で使用するフィールド沿いに運び積み上げました。
様々な樹種や太さ、腐朽段階という資源に、どんな生き物たちが集まってくるのか楽しみです。
いろいろなカミキリムシがやってくることを予想しています。
次回は6月21日(日)10時~12時に田んぼを会場に、田んぼ内外の草取り(田の草取り)を行います。
除草剤を使わず灌水環境を維持しているキョロロの田んぼではたくさんの水生生物を観察することができます。
この管理活動の一環として次回の「里山の生き物サポーターズ」を開催いたします。