Archive for the '④キョロロ雑記' Category

【テレビ放送】NHKおはよう日本(関東甲信越)「松之山の自然をアメリカザリガニから守る博物館と子どもたち」

水曜日, 6月 12th, 2024

\テレビ放送のご案内/
2024年6月19日(水)7:45~NHKおはよう日本(関東甲信越)のリポートコーナーにて、キョロロが実施しているアメリカザリガニの捕獲活動や関連する教育活動について放送されます。研究員による松之山のアメリカザリガニに関する現状の解説や、まつのやま学園自然科学部の活動での捕獲や調理の様子も紹介されます。ぜひご覧ください!

【放送局】NHK
【番組名】おはよう日本(関東甲信越)
【放送日時】2024年6月19日(水)7:45~8:00内の5分間ほど
【内容】リポートコーナー(5分程度)にて「松之山の自然をザリガニから守る博物館と生徒さんの活動をリポート」がテーマ。


▲イベント「ザリガニ捕獲作戦」の様子

▲まつのやま学園自然科学部の活動

自然を科学的に探究する高校生のフィールドワーク

水曜日, 6月 5th, 2024

5/23(木)長野県飯山高校探究科の高校生が「科学的な調査研究の方法」を学ぶことを目的として、里山を舞台としたフィールドワーク(野外調査)を行いました。
飯山高校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、特に探究科は科学的思考や国際性を育むことを重視した学科です。キョロロでの活動は8年目になりました。午前中は、3つのグループ(野鳥班、ブナ林班、土壌動物班)計5
班分かれて、キョロロの学芸スタッフや地域の自然観察インストラクターのサポートのもと、キョロロ周辺の里山で野外調査を行いました。

野鳥班はキョロロの森の園路を一定の時間をかけて歩きながら、環境毎に確認された野鳥の種類や個体数を記録し、その生息密度を推定しました。
ブナ林班は、観光利用されているブナ林「美人林」の中で、人が多く訪れる地点とほとんど訪れない地点の間で、林床に生育する植物の種類や土壌の硬さ、落ち葉の粉砕の程度などを比較し、美人林のオーバーユースの影響を考えました。

土壌動物班は同じく人の出入りの頻度が異なる美人林の2地点において、一定時間土壌中に生息する小さな生き物たちを吸虫管などで採集しました。
採集した土壌動物を室内に持ち帰り、ルーペなどを使ってその種類や個体数を調べ、地点間で比較しました。

午後は、午前中の野外調査で得られたデータから明らかとなったことを班ごとにデータの整理とまとめ作業を行いました。
平均値や分散の算出や、データのグラフ化などを行い、科学的にデータをまとめる手法について学びました。

今回の体験が、自然を科学的に捉え、考えることの大切さや面白さを理解するきっかけとなれば嬉しく思います。

「キョロンボを探せ!」で見つかったガガンボ

水曜日, 5月 29th, 2024

元キョロロ研究員の加藤です。5月25日に国際博物館の日記念事業として、去年新種として記載されたキョロロの名の付くガガンボ「キョロロコケヒメガガンボ」を探すというイベントが開催されました。記載論文にある3例のみの記録はいずれもオスで、5月中旬に採集されているため、本イベントの開催日がこの日となりました。また、ガガンボを含む多くの昆虫では、オスよりやや遅れてメスが成虫となるため、まだ記録・記載されていない本種のメスが採集できないかと期待していました。しかし、本種は個体数が少ない珍しい種である可能性もあり、このイベント中で見つけるのは難しいとも考えていました。というのも、2021年にキョロロの森に仕掛けた昆虫採集トラップで、同属のウスモンコケヒメガガンボが119個体採集されたのに対し、キョロロコケヒメガガンボはたったの1個体しか採集されていないことや、これまでの全国調査のなかで新潟県内でしか見つかっていないからです。そのため、見つかったらラッキーという気持ちでイベントに臨みました。

参加者の皆様には一生懸命探していただきましたが、残念ながらキョロロコケヒメガガンボは見つからず。しかし、その他のガガンボは多く採集され、なんと今回だけでも以下の3科29種が確認されました(当時肉眼で大雑把に分けた種数より増えております)。惜しいことに、キョロロコケヒメガガンボと同属のウスモンコケヒメガガンボは1個体のみ採取されました。また、2021年に仕掛けたトラップでキョロロコケヒメガガンボと同期間に採集された31種のガガンボのうち、発生期間が短くキョロロの森では個体数の多い種(Nippolimnophila perproductaPrionolabis acutistylusなど)が全く見られず、今回得られたウスモンコケヒメガガンボは死骸でした。このことから、今年のキョロロの森のガガンボの発生が例年より少し早く、キョロロコケヒメガガンボの発生も終わっていた可能性も考えられました。生物は年によって発生の時期がずれたり、個体数が増減したりするため、そもそも個体数が少ない種を予備調査なしで狙うというのはやはり難しいですね。そんななかなか出会えないキョロロコケヒメガガンボですが、今後も調査を続けていきたいと思います。ご参加いただいた皆さまに感謝申し上げます。

↑写真背景の1目盛りは1mmです。

オビヒメガガンボ科
1. Dicranota (Rhaphidolabis) sp. (?consors)
2. Nipponomyia pentacantha Alexander, 1958

ヒメガガンボ科
3. Dactylolabis (Dactylolabis) diluta Alexander, 1922 ウスモンコケヒメガガンボ
4. Epiphragma (Epiphragma) subinsigne Alexander, 1920
5. Limnophila (Limnophila) japonica (Staeger, 1840) カスリヒメガガンボ
6. Pilaria melanota Alexander, 1922
7. Pseudolimnophila (Pseudolimnophila) inconcussa (Alexander, 1913) ホソヒメガガンボ
8. Erioptera (Erioptera) cervula Savchenko, 1972
9. Gonomyia (Gonomyia) sp.
10. Idiocera (Idiocera) teranishii (Alexander, 1921) 
11. Ilisia incongruens (Alexander, 1913)
12. Molophilus (Molophilus) sp. 1 (?pegasus)
13. Molophilus (Molophilus) sp. 2 (?trifilatus)
14. Styringomyia sp.(未採取)
15. Antocha (Proantocha) brevistyla Alexander, 1924
16. Dicranomyia (Dicranomyia) longipennis (Schummel, 1829) ホソバネヒメガガンボ
17. Dicranomyia (Dicranomyia) takeuchii Alexander, 1922 タケウチマダラヒメガガンボ
18. Dicranomyia (Melanolimonia) paramorio Alexander, 1926 
19. Dicranomyia (Sivalimnobia) euphileta (Alexander, 1924)
20. Geranomyia gifuensis (Alexander, 1921)
21. Geranomyia sp.
22. Limonia anthracina (Alexander, 1922)

ガガンボ科
23. Dolichopeza (Oropeza) candidipes (Alexander, 1921) オオユウレイガガンボ
24. Dolichopeza (Oropeza) inomatai Alexander, 1933 イノマタユウレイガガンボ
25. Indotipula yamata yamata (Alexander, 1914) マエキガガンボ
26. Nephrotoma virgata (Coquillett, 1898) キイロホソガガンボ
27. Tipula (Acutipula) gemma Alexander, 1953
28. Tipula (Yamatotipula) aino Alexander, 1914 キリウジガガンボ
29. Tipula (Yamatotipula) patagiata Alexander, 1924 クロキリウジガガンボ

※一部の参加者がイベント後さらにガガンボ採集を続けてくださり、以下の3種が追加されました。
Dictenidia pictipennis fasciata Coquillett, 1898 ベッコウガガンボ
Phylidorea (Phylidorea) melanommata (Alexander, 1921)
Ulomorpha nigricolor Alexander, 1924