Archive for 11月, 2021

雪の上のムシ探し「雪虫しらべ」のご案内

土曜日, 11月 27th, 2021

\雪の上にはどんな虫がいるんだろう?/
キョロロでは雪上に現れる不思議な虫「雪虫」を観察する調査ベントを12月~3月までの第3土曜日に開催します。
雪の上には虫がいないと思われるかもしれませんが、よく目を凝らすと雪の上で生きている多様な雪虫が観察できます。
雪虫は江戸時代に書かれた鈴木牧之の「北越雪譜」の中にも「雪蛆」として登場しますが、十日町市の里山にいつどんな雪虫が現れるのかはあまりよくわかっていませんでした。これまで本イベントやキョロロの調査研究により約60種ほどが確認されています。昆虫専門の研究員と一緒に雪虫達のくらしを調べてみませんか?

【開催日程】2021年12月18日(土)、2022年1月15日(土)、2月19日(土)、3月19日(土)13:30~16:00
【調査地】キョロロ周辺の里山(美人林など)
【集合】キョロロ 【参加費】無料 【定員】10名(事前予約制)
【その他】雪の上で活動できる服装でお越しください。

専門学校生が展示づくりを学ぶ

金曜日, 11月 26th, 2021

国際自然環境アウトドア専門学校(妙高市)の学生の皆さんが、授業「地域づくりワークショップ」の一環でキョロロの展示づくりを学び・実践しています。
今回は①木工体験コーナー、②ザリガニ釣りコーナー、③ドングリあそびコーナーについて、学芸員と相談しながら展示のミニリニューアルを行いました。
それぞれ担当班に分かれ、展示づくりの目的、対象者、伝え方について考えながら、11月25日に設置を行いました!

こちら木工コーナー班は、木工コーナーに「木育」の要素をさらに加えてくれました。
材料の樹木としての特性や特徴をパネルで表示し、作品を作る際に使われている樹木の特徴も知ることができるようになりました。

またコーナーに接するアクリルの壁に、同じく材料として使わている樹木の葉をラミネートしたものを吊るし、ガラス絵具で描いた葉もアクセントに加えていただき、樹木の多様性を感じることができる素敵な空間を演出していただきました。

木工体験で作品を作るのと同時に、樹木の多様性にも触れることができるコーナーとしての魅力がアップしました。

ザリガニコーナー班は、生物としてのザリガニの特徴をじっくり観察できるコーナーを作ってくれました。
アメリカザリガニは外来種という側面に目が行きがちですが、生き物としての特徴をしっかり観察しながら、外来種による在来種や農業への影響についても示し、その上で私たちにできることを伝えるパネルを作ってくれました。


ドングリ班は、特に未就学の来館者を対象としたドングリ遊びを作ってくれました。
ドングリスライダー、ドングリ迷路、ドングリの楽器など、五感を使って遊びながらドングリの形や種類に触れることができるものばかりです。
ぜひ手に取って遊んでいただき、ご家族で楽しい時間をお過ごしいただければと思います!


展示づくりは博物館の大切な仕事の一つです。
展示を通して伝えたいことをまず整理し、どのような伝え方が望ましいか、対象をどの年齢層に設定するかなど、すべての展示物には博物館の想いが隠れています。
「伝えたいこと」をしっかり考えることと、「伝える・伝わる」ための工夫を、実践的に学んでいただく機会になりました。
バージョンアップしたキョロロの展示をぜひご覧・ご体験ください!

キョロロ2021年度夏企画展「眼展」のアンケート結果のご報告

木曜日, 11月 25th, 2021

今年度の7月17日(土)から10月17日(日)まで「森の学校」キョロロでは動物の持つ眼をテーマにした企画展、「眼展-生き物が見る世界のカタチ―」を開催しました。展示では様々な動物の眼のしくみや形態、進化、多様性を「光と眼のしくみ」、「眼の進化」、「ムシたちの眼」、「脊椎動物の眼」、「軟体動物の眼」、そして「生き物の色」の6つの章に分けて紹介しました。さらに本企画展で紹介した展示や動物の眼の中から気に入ったものを来館者の皆様から投票いただきました。遅くなりましたが本日はこのアンケートの結果について発表します。

今回のアンケートでは合計で175票の投票がありました。アンケートにご回答いただいた方々の年齢をグラフにすると、その多くは未就学児から小学生でした。また、その子どもたちの親御さんと思われる方々からもご投票をいただきました(図1)

眼展の6つの展示の中で最も人気のあった展示第一位は「ムシたちの眼」でした。続いて第二位は「生き物の色」、第三位は「眼の進化」の順で人気がありました(図2)。最も人気があった「ムシたちの眼」は6つの展示の中でも最も力を入れて作成した展示であり、人間の眼とは全く異なる様々な昆虫の眼の機能と多様性を紹介しました。来館者の皆様からご支持を頂くことができ、展示作成者として嬉しく思います。

それぞれの展示への投票者を未就学児、小学校低学年、小学校中学年、小学校高学年、中学・高校、19~29歳、30歳~49歳、50歳以上に分けてみると、「ムシたちの眼」には様々な年代の方から投票を頂けたことが分かりました。第二位の「生き物の色」は他の展示よりも工夫を凝らしたクイズを多くした展示でした。そのお陰もあってか未就学児や低学年の子どもたちから支持を得ることができました。逆に第三位の「眼の進化」は内容が難し目だったためか、小学校中学年からの支持は多かったものの、未就学児からの支持が無かった点は反省の余地が見られました(図3)。

展示の中で紹介した動物の眼の人気投票では、最も人気を獲得した眼は「トンボの眼」でした。青や緑が美しいトンボの眼はポスターでも大きく取り上げたので納得の順位でした。続いて「カエルの眼」、「鳥の眼」、「ヘビの眼」の順に人気がありました(図4)。興味深かったのは第5位の「クモの眼」と第6位の「ホタテガイの眼」です。展示の人気投票と同じように年代ごとに投票者の構成を見てみるとクモやホタテガイの眼は案外大人の方からの支持が多いようでした(図5)。眼が多い生き物は気持ち悪がられるかもしれないと考えていましたが、案外そうでもないのかも…。

眼展の展示はかなり専門的な部分が多く、「勉強になった」、「楽しかった」というコメントと同時に「難しかったと」いうコメントも多くありました。皆様のご意見を参考にして、より楽しく分かりやすく学べる展示を作成していきたいと思います。アンケートにご協力いただいた皆様にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。