【山仕事の無事を願う】「十二講」里山の伝統文化体験
日曜日, 2月 9th, 20252月9日(日)に山仕事の無事を祈る里山の伝統行事「十二講」イベントを開催しました。
かつての雪里では雪が降り積もっているこの時期に山に入り始め、伐った木を雪ぞりを使って運び出しました。
「十二講」は山仕事の無事を山の神様に祈願する伝統行事。現在では人と山の関わり方が変化したこともあって、松之山では数十年前に途絶えてしまいました。
人と自然とのつながりを色濃く感じられる行事を、キョロロではイベントとして開催し継承しています。
学芸員から十二講について・イベントの流れについて説明があった後、藁を使って弓矢づくりの縄を作るところからスタートです。
まずは「藁すぐり」。手を櫛のように使い、長い藁以外の短く細かい葉を除去していきます。
次に藁を綯いやすいように、藁をたたいて柔らかくしていきます。
ここでは「ヨコヅチ」と呼ばれる、イタヤカエデなどで作られた木槌を使います。
トントンとにぎやか。藁の香りに包まれます。
やわらかくなった藁を使って、自分の身長くらいの長さになるまで藁縄を綯います。
完成した藁縄と、ネマガリダケを使って各自弓矢を作ります。
藁縄は「とっくり結び」でネマガリダケに結んでいきます。
お供え用に、藁筒「ワラツトッコ」に米粉で作った小さなお団子「カラコ」を入れます。
集落ごとにワラツトッコに入れるカラコの大きさや数が違い、キョロロでは小さく丸めたものを12個入れる松之山浦田地区のスタイルで行っています。
最後に会場の外、3mほどある雪の上に弓矢と共に飾り、今年の恵方に向かい山仕事の無事を祈願しました。
山での皆様の活動が、今年も無事に行えますように、雪深い里山からお祈り申し上げます。