Archive for the '①生き物だより' Category

キョロロの森のクモを調べよう!4月の「クモしらべ」のご報告

日曜日, 4月 14th, 2024

誰でも名前は知っているものの、あまり詳しくは知られていない生き物である「クモ」。様々な小動物を食べるクモですが、自身もより大型の捕食者(鳥やネズミなど)に食べられ、生態系における食べる-食べられるの関係をつなぐ重要な生き物でもあります。この調査ではキョロロの森にどんなクモがいるのかを参加者と一緒に調べる調査イベントです。今年度最初のクモしらべはまだ残雪の残るキョロロの森の落ち葉に住むクモを5人の参加者と一緒に探してみました。

クモの種の判別(同定)には成体(特にオス)が必要なのですが、まだ春の早い時期であったためかほとんど成体は採集できませんでした。それでも調査の結果、8科12属14種のクモが採集できました。

タナグモ科
1. ヤチグモ亜科の一種(未成熟)
コモリグモ科
2. ミズベコモリグモ属の一種(未成熟)

3. アライトコモリグモ(未成熟)
4. ウヅキコモリグモ(未成熟)
5. キタハリゲコモリグモ(♀)?
6. ハリゲコモリグモ(♂♀)?※
キシダグモ科
7. ハシリグモ属の一種(未成熟)
サラグモ科
8. サラグモ科の一種(未成熟)
シボグモ科
9. シボグモ(未成熟)
カニグモ科
10. トラフカニグモ(未成熟)
ワシグモ科
11. ワシグモ科の一種(未成熟)
ハエトリグモ科
12. マミジロハエトリ(未成熟)

13. アオオビハエトリ(未成熟)
14. テナガハエトリグモ属の一種(未成熟)


今回の調査で採集できたクモ(一部)

この時期の落ち葉上にはピョンピョンと跳びまわりながら走るクモをよく見つけることができます。
これらのクモはコモリグモ科オオアシコモリグモ属のウヅキコモリグモ(④)やハリゲコモリグモの仲間(⑤、⑥)なのですが、特にハリゲコモリグモの仲間は成体であっても種ごとの特徴に差が少なく、同定が難しいグループです。今回の調査では2種しか見つかりませんでしたが、実際には見逃しているハリゲコモリグモの仲間がいる可能性もあり、追加調査はまだまだ必要だと思われます。

次回のクモしらべは5/18(土)に開催します。5月からは成体のクモが増えてきますので、今回を超える種のクモを見つけたいと思います。

3月の定例探鳥会のご報告

水曜日, 4月 10th, 2024

3月23日(土)に2023年度最後の定例探鳥会を実施しました。お天気は曇りでしたが、とにかく強い冷え込みで開始時の気温は-6℃以下。木々の枝には霜が降り、樹霜がきれいでした。参加人数は大人14人、小学生3人の合計17人。キョロロの森内は積雪があったため、探鳥コースはキョロロ周辺の松口集落内を周回する約2㎞のコースで実施しました。

気温は低かったものの、春らしく終始ホオジロがあちこちの梢でさえずっており、10羽以上の個体を確認できました。エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラなどのカラ類の群れにイスカが混じり、イスカのオスの濃いオレンジ色がとてもきれいでした。2月の定例探鳥会でもイスカを観察していました。今年はイスカの当たり年のようです。
イスカは日本では冬鳥になりますが一部は高い山で繁殖することもあり、盛んにスギの実をついばんでいました。他のカラ類もスギの実を盛んに食べているようでした。カワラヒワも道路に降りて盛んにスギの実などをついばんでいました。

調査の結果、今回の探鳥会では25種の野鳥が確認されました。

【確認した野鳥】
マガモ、キジバト、アオサギ、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、エナガ、ゴジュウカラ、ミソサザイ、カワガラス、ジョウビタキ、スズメ、カワラヒワ、マヒワ、イスカ、ウソ、イカル、ホオジロ、カシラダカ 

アオサギ

アカゲラ

アオゲラ

カケス

カワラヒワ

イスカ

樹霜の中のホオジロ

イカル

カシラダカ

鳥合わせの様子

【美人林情報】残雪10-20cm。一部で芽吹き始まる。

水曜日, 4月 10th, 2024

美人林の駐車場の除雪が完了しましたので、駐車場の利用が可能になりました。
林内の残雪は多いところで20cmほどで、地面がすでに多く出ています。

一部のブナで芽吹きも確認されました。

▲標柱周辺は地面が出ています。


▲一部のブナで芽吹きが始まりました(4月10日朝) 



▲残雪が残っているところでは「根開け」を見ることができました。残雪は多くて20cmほどです。


▲雪解け水が溜まっている池。ブナのシルエットが映り込んでいます。