【第1回】ゲンゴロウ相調査【市民協働調査】

本日、新たな市民協働調査「ゲンゴロウ相調査」の第1回を開催しました。今回の調査は「〇〇しらべ」シリーズではなく、あえて「調査」と銘打ち、参加条件を設けました。つまり、ちょっとガチっています。

最初に調査の趣旨、調査方法、注意事項などを説明しました。水辺の調査なので危険も伴うこともありますので、安全な調査を心がけます。

そして、胴長靴・長靴を装着、網を持って出発です。

ゲンゴロウ類を探します!

探します!!

探します!!!


採集したゲンゴロウは毒ビン(酢酸エチル入りのサンプル管)に入れて締め、タトウのうえで展足し、乾燥標本にします。

今回の成果として8種のゲンゴロウ類が採集されました:コツブゲンゴロウ、ヒメケシゲンゴロウ、チビゲンゴロウ、ツブゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、オオヒメゲンゴロウ、クロマメゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウ。まだオスのゲニ(交尾器)をしっかりと確認していませんので、同定結果は変わる可能性があります。

こんな感じの流れで、10時~15時という長丁場の調査となりました。遠方からも参加していただき、大変だったかと思いますが、丸一日調査お疲れでした!

【衣替え中】ブチ模様のトウホクノウサギ登場!

まだ所々に雪の残るキョロロですが、気温や動植物はすっかり春らしくなってきました。ハナアブやハナバチが冬眠から目覚めて飛び回り、ブナの芽吹きは盛りを迎えています。そんな時期にキョロロの裏手を臨むアクリル製の大窓から今の季節を象徴するような動物がかわいらしい姿を見せてくれました。

白と茶色のブチ模様のトウホクノウサギ Lepus brachyurus angustidens です。トウホクノウサギは冬期は真っ白な体毛をしていますが、夏期は茶色の体毛に生え変わります。この個体はちょうど体毛が生え変わる途中なのだと考えられ、特に脚の体毛はまだ冬らしい装いでした。

このウサギはしばらく窓の外からキョロロの中を覗いた後、走り去っていきました。普段人前に姿を現す機会が少ないウサギをじっくり観察する貴重な時間を体験できました。

キョロロの森のクモを調べよう!4月の「クモしらべ」のご報告

誰でも名前は知っているものの、あまり詳しくは知られていない生き物である「クモ」。様々な小動物を食べるクモですが、自身もより大型の捕食者(鳥やネズミなど)に食べられ、生態系における食べる-食べられるの関係をつなぐ重要な生き物でもあります。この調査ではキョロロの森にどんなクモがいるのかを参加者と一緒に調べる調査イベントです。今年度最初のクモしらべはまだ残雪の残るキョロロの森の落ち葉に住むクモを5人の参加者と一緒に探してみました。

クモの種の判別(同定)には成体(特にオス)が必要なのですが、まだ春の早い時期であったためかほとんど成体は採集できませんでした。それでも調査の結果、8科12属14種のクモが採集できました。

タナグモ科
1. ヤチグモ亜科の一種(未成熟)
コモリグモ科
2. ミズベコモリグモ属の一種(未成熟)

3. アライトコモリグモ(未成熟)
4. ウヅキコモリグモ(未成熟)
5. キタハリゲコモリグモ(♀)?
6. ハリゲコモリグモ(♂♀)?※
キシダグモ科
7. ハシリグモ属の一種(未成熟)
サラグモ科
8. サラグモ科の一種(未成熟)
シボグモ科
9. シボグモ(未成熟)
カニグモ科
10. トラフカニグモ(未成熟)
ワシグモ科
11. ワシグモ科の一種(未成熟)
ハエトリグモ科
12. マミジロハエトリ(未成熟)

13. アオオビハエトリ(未成熟)
14. テナガハエトリグモ属の一種(未成熟)


今回の調査で採集できたクモ(一部)

この時期の落ち葉上にはピョンピョンと跳びまわりながら走るクモをよく見つけることができます。
これらのクモはコモリグモ科オオアシコモリグモ属のウヅキコモリグモ(④)やハリゲコモリグモの仲間(⑤、⑥)なのですが、特にハリゲコモリグモの仲間は成体であっても種ごとの特徴に差が少なく、同定が難しいグループです。今回の調査では2種しか見つかりませんでしたが、実際には見逃しているハリゲコモリグモの仲間がいる可能性もあり、追加調査はまだまだ必要だと思われます。

次回のクモしらべは5/18(土)に開催します。5月からは成体のクモが増えてきますので、今回を超える種のクモを見つけたいと思います。