企画展「美人林ものがたり」のご案内
水曜日, 9月 27th, 2017「森の学校」キョロロでは、10月7日(土)より企画展「美人林ものがたり-里山の美しきブナの森の秘密-」を開催いたします。
期間:2017年10月7日(土)~2018年年7月1日(日)
「森の学校」キョロロでは、10月7日(土)より企画展「美人林ものがたり-里山の美しきブナの森の秘密-」を開催いたします。
期間:2017年10月7日(土)~2018年年7月1日(日)
先々週と同様、9月23日から本日(27 日)まで新潟大学からキョロロへ3名のインターンシップ生が来て下さり、キョロロの行っている調査・研究や来月からの企画展の準備を手伝ってくれました。本日は3名のインターン生がキョロロでのインターン期間中に興味を持ったカエルを通して松之山の魅力を紹介していただきました。
こんにちは!
私たちは「森の学校」キョロロにインターンシップ生としてお世話になっている新潟大学農学部1年生の田中三冬、久保田穂南、二瓶友瑠です。私たちはインターンシップの活動を通してキョロロ周辺に住む様々な生き物を見つけました。その中でも特に興味をひかれた「トノサマガエル(写真1)」と、それをとりまく環境についてご紹介していきたいと思います。
写真1. キョロロの池で見つけたトノサマガエル
トノサマガエルは約50 ~ 95mmと日本に生息するカエルの中では比較的大きなカエルです。背中の縦縞模様が特徴で、主に水田に生息しています。水面から顔を出している姿がとても愛らしいです。そんなトノサマガエルですが、環境省で発行している絶滅の恐れのある野生生物種リスト、「レッドデータブック」で準絶滅危惧種として指定されていることはご存じでしょうか。私たちの通う新潟大学がある新潟市の発行しているレッドデータブック(大切にしたい野生生物~新潟市レッドデータブック~, https://www.city.niigata.lg.jp/smph/kurashi/kankyo/shizenfureai/wild/wildlife/smallanimals/reddate/index.html)では、より絶滅に近いとされる絶滅危惧Ⅱ類に指定されているほどです。
なぜトノサマガエルは絶滅の危機に瀕しているのでしょうか。理由として主に2つの要因が考えられています。
第一に日本全国で水田が減少傾向にあるためです。水田は水の流れがほとんどなく、水温がかなり高いので、両生類が好んで産卵します。同様にトノサマガエルも産卵場所として水田を選びます。しかし、近年のコメ離れや、農業従事者の減少により、全国的に水田が減ってきています。
第二に水田の圃場整備が進んでいることです。トノサマガエルは、ほぼ 1 年を通じて水田で生活しています。適度に草が生えた畦は、捕食者から身を隠しやすく、エサが豊富で住みやすい環境です。近年ではそういった畦が、除草剤の散布やコンクリートでの舗装、水路のU字溝化などにより減少してしまい、水田がトノサマガエルにとって生活しにくい環境となってきています。
ですが、ここ松之山では昔ながらの管理をしている水田が残されているため(写真2)、キョロロ周辺ではトノサマガエルを多く見ることができました。実際に、私たちもこのインターンシップ中の宿泊先からキョロロへの行き帰りの中そのような水田を多く見ました。みなさんもキョロロへお越しの際はぜひ松之山の棚田でトノサマガエルを探してみて下さい!
写真2. 多くのトノサマガエルが棲むキョロロ周辺の水田
地図へのリンクはこちら
撮影日:2017年9月26日