Archive for 10月, 2021

生き物いっぱいの田んぼで稲刈り2021

水曜日, 10月 6th, 2021

10/3(日)にキョロロの田んぼの稲刈りを行いました。メダカが泳ぎ、オタマジャクシやカエル、水生昆虫やイナゴ、ヘビなどいろいろな生き物を育む田んぼで大きく実ったイネ。
田んぼの水を抜かないお米作り、生き物が避難できる通水路「江」づくりなど、キョロロではたくさんの生き物を観察することができる田んぼづくりを続けています。
今年も「田んぼはイネだけが育つ場所ではない」ということを、1年間体験イベントや学校の体験学習を通じて観察し学ぶことができました。

稲刈りは、里山の農業に触れることができるキョロロの定番イベントです。
今年も皆さんのご協力のもと、江づくり、田植え、田の草とりを経て、今回の稲刈りを無事迎えることができました。
今回も地域の方々を師匠に、里山の稲刈りを学び体験しました。




水を抜かないキョロロの田んぼはぬかるんでいます。足元を見るとメダカやコオイムシが泳ぐ姿が。
稲刈り後の田んぼに、さっそくトンボが産卵する姿も見られました。
田んぼが様々な命を育む場所であることを改めて実感します。

地域方々からは、手を切らないイネの刈り方、藁を使った結わい方、稲束をくるっと回転させた結わい方など、里山のお米づくりに関するいろいろな知恵や技を教えていただきながら、稲刈りは進みます。田んぼ仕事の知恵や技がキラリと光ります。


刈った稲は、キョロロの駐車場に設営した「はさ」に掛けて乾燥します。
今年はキョロロの正面にはさ場を作りました。
結わいた稲の渡し方、掛け方など、はさ掛けにもいろいろなコツがあることを教えていただきました。


今年のお米の出来はどうでしょうか?楽しみです。
田植え、田の草とり、稲刈りにご参加いただいた皆様には新米をお届けいたします!
どうぞお楽しみに!

展示中の2匹の青アマガエル、片方はほぼ緑に変わる

月曜日, 10月 4th, 2021

今年の6月下旬と7月上旬にそれぞれ別のお客様から寄贈いただいた2匹の青いアマガエル。7月28日のブログで紹介した青いアマガエルは、いただいた当時は完全に青色だったのですが、あれから徐々に色が変わっていき、7月25日の時点でもすでに背中に緑が混じり、今ではほぼ緑色一色になりました。ただ、よく見ると脇のあたりと目の周辺にかろうじて青い部分が残っています。

一方でその次に届いた青アマガエルは一向に色が変わる様子がありません。この2匹のアマガエルの顔をよく見ると表情が違って見えます。緑色に戻った方のアマガエルでは目から鼻の穴に向かって伸びる茶色の線が太く、鼻の穴を超えて口の方に少し伸びています。青アマガエルはその線が細く、鼻の穴のところで終わっています。この模様のせいか、青アマガエルは鼻下がより長く見えてしまいます。アマガエルの顔にもちゃんと個性があるのですね。

青いカエルは皮膚にある黄・虹・黒色細胞のうち、一番表面側にある黄色細胞がないか、非常に少ない状態である個体です。青色個体はアマガエルとトノサマガエルで知られていて、アマガエルでは遺伝性がなく、トノサマガエルでは遺伝性があるという研究結果があります。その青いアマガエルの研究(Nishioka and Ueda, 1985)では、青いメスと正常の色のオスからなる受精卵からは全て正常の色のアマガエルが誕生し、青いメスの受精卵に特殊な処置を加えることにより、そのメスの遺伝子情報のみからなる受精卵を作り子孫を得たところ、すべて正常の色のアマガエルが生まれたということです。色素異常についてはまだまだ説明できない事例が多くあり、色がもとに戻る現象についても詳しくわかっていないようです。外見上同じ色素異常に見えても、遺伝子や細胞レベルで見るとその原因は一つではなく、様々な要素が組み合わさることがあるためです。この2匹の青アマガエルが見せてくれた黄色細胞の回復の有無というのもミクロなレベルでは何か重要な違いが隠れているのかもしれません。

秋が始まった里山。10月の「ブナの森のようちえん」

土曜日, 10月 2nd, 2021

10/2(土)に10月の「ブナの森のようちえん」を開催しました。気持ちの良い風が吹き抜ける里山は秋色に変身中です。
今回は美人林方面ではなく「キョロロの森」方面に向かいました。
子どもたちは「みちくさ」遊びに全力です!

里山散歩では毎回いろいろな生き物に出会います。
今日も目の前でオオルリボシヤンマの産卵を観察したり、オオカマキリ、モリアオガエル、カナヘビなどに出会ったりと、じっくり里山の生き物を観察することができました。


植物を使ったの野遊びも楽しみました。
ススキを使った草笛、ゼンマイを使った飛行機づくり、落ち葉を使った森のステンドグラスづくりなどなど。
芸術の秋、素敵な作品がたくさんできました!


今回は子どもスタッフの二人に、はじめの会での危険生物の注意点の話をお願いしました。
彼らはブナの森のようちえんの卒業生でもあり、毎回子どもたちの遊びのお手本にもなってくれ、頼もしいスタッフです。

コナラのドングリがだいぶ地面に落ちてきました。
クリやアケビといった木の実のめぐみもいただきました!

秋が始まった里山を五感で楽しんだ10月のブナの森のようちえん。
毎月第1土曜日を中心に開催しています。次回は紅葉の中での開催になりそうです!