Archive for 6月, 2023

【市民協働調査】川虫しらべ【小坪野沢】

日曜日, 6月 25th, 2023

昨日、川虫しらべを開催しました。前日と当日朝に降った雨で周辺の河川が増水していたため、キョロロの森のなかを流れる小坪野沢で調査を実施しました。昨年は年間を通して小坪野沢で川虫しらべを開催してきましたが、今年は小坪野沢では初めての開催です。水温は17~18度ほど。今回のように蒸し暑い日は、冷たい水につかると気持ちが良いです。

さて、今回は計25種類の底生動物と魚が見つかりました。また、昨年は見つからなかったケスジドロムシ(ヒメロドムシ科)が見つかりました。環境省のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類」、新潟県のレッドリストでも「準絶滅危惧」に指定されている水生のコウチュウです。このように何回も調査した場所であっても、まだまだ新しい発見があります。地道に調べていくことが大切ですね。


▲白色バットに集めた底生動物


▲オニヤンマ(ほかにもカワニナやモンカゲロウなどが映っています)


▲絶滅危惧種のケスジドロムシ

次回の川虫しらべは、7月22日(土)です。河川は楽しい・面白い場所ですが、同時に危険も伴います。周りの状況をよく確認しながら、安全に楽しむようにしましょう。

【確認された生物(順不同)】モンカゲロウ、ニホンカワトンボ、ミルンヤンマ、ヤマサナエ、オニヤンマ、フタツメカワゲラ属の一種、フサオナシカワゲラ属の一種、シマアメンボ、オオコオイムシ、センブリ属の一種、ヤマトクロスジヘビトンボ、クシヒゲマルヒラタドロムシ、ケスジドロムシ、マルガムシ、カワムラナガレトビケラ、ミヤマイワトビケラ属の一種、ガガンボ属の一種、ウスバガガンボ属の一種、ハマダラナガレアブ、ブユ科の未同定種、ミズムシ、サワガニ、ナミウズムシ、ミミズ類、アブラハヤ

【キョロロ友の会】会員限定企画「モリノカタリバ(6月)」みんなでいきものカタリあおう-新確認の生き物たち-

土曜日, 6月 24th, 2023

\友の会会員限定企画/
「モリノカタリバ」みんなでいきものカタリあおう!友の会会員のみなさんと、季節の自然に関する情報交換やミニ講話などで、里山の生物多様性について楽しく学び語りあうざっくばらんな定例会を今年度からスタートしました。第2回目(6/30)の話題は、最近のキョロロの研究員の調査や市民参加型生き物調査の成果についてです。実は、これまでに分布記録がなかった生物・生息情報が乏しかった生物が続々と確認されています。研究員が標本や写真などを用いて、友の会の皆さんにご紹介します。金曜の夜、お気軽にご参加ください。
【時間】18:30~19:30
【定員】20名程度(お申込み時に氏名・会員番号をお伝えください)
【主催】「森の学校」キョロロ友の会

2023年6月のハナアブしらべの結果報告

金曜日, 6月 23rd, 2023

今年2回目となるハナアブしらべは6月17日にキョロロの森で実施されました。今回は特別で、一般参加者7名に加え、双翅目談話会のグループ16名に調査のご協力をいただきました。双翅目談話会は日本で唯一の昆虫のハエ目の同好会で、日本全国の様々な研究成果を公開し、県のレッドデータに関わる調査などにも協力している団体です。その参加者の中には、北では北海道、西では山口県からもお越し頂いており、ハナアブ科だけでなくハエ目のその他の様々なグループを専門とされている方々が集まりました。2020年6月13日に小学生の参加者により発見された新種の可能性のあるハナアブの再発見を含め、雪国のハエ目相の新発見に期待が高まります。

天気は良すぎるくらいの晴れで気温も高く、ハナアブにとってはまずまずの条件でした。皆様の多くの協力のお陰で、過去最高のハナアブ科21種が採集されました。ハナアブしらべの一般参加者により採集されたハナアブには最後に〇をつけてあります。

  1. キンアリノスアブ〇
  2. クロハナアブsp.
  3. シロスジベッコウハナアブ
  4. アシマダラツヤタマヒラタアブ
  5. コハナダカチビハナアブ
  6. キョウコシマハナアブ〇
  7. カクモンハラブトハナアブ〇
  8. マツムラハラブトハナアブ〇
  9. シロスジナガハナアブ
  10. ハラアカハラナガハナアブ〇
  11. ヨツモンハラナガハナアブ
  12. ナミルリイロハラナガナハアブ〇
  13. ホソヒラタアブ〇
  14. クロヒラタアブsp.
  15. ホソヒメヒラタアブ〇
  16. ミナミヒメヒラタアブ〇
  17. ツマグロコシボソハナアブ〇
  18. マダラコシボソハナアブ〇
  19. ツヤヒラタアブ〇
  20. ナミヒラアシヒラタアブ〇
  21. キアシマメヒラタアブ〇

キョロロ一般参加者採集のハナアブの写真は以下の通りです。

今回松之山から未記録のハナアブや例の新種の可能性のあるハナアブは確認されませんでしたが、これまで採集例の少ない種の多くが専門家により採集されており、これが過去最高の種数に大きく貢献したように思います。さすが専門家の技はすごい、としか言いようがありません。また、キョロロ一般参加者も負けず劣らずと、専門家が採集していない種を何種か採集していました。18日には双翅目談話会の一部の方々で、午前中にキョロロの森、午後に天水山の方で採集されたので、種数はさらに増えそうです。

今回は双翅目談話会と初めての合同調査となりましたが、専門家の力を借り、大人数で調査をすることで、調査の精度が高まるということを肌で感じる回となりました。また、専門家それぞれのハエの知識や採集方法の工夫などを教えていただいたり、目にしたりと、非常に勉強になる回でもありました。これらの学んだことを生かして、より精度の高い調査ができるよう今後も努め、松之山の自然の理解を深めていければと思います。この度ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。