2023年6月のハナアブしらべの結果報告
2023年 6月 23日at 9:00 AM kyororo @④キョロロ雑記
今年2回目となるハナアブしらべは6月17日にキョロロの森で実施されました。今回は特別で、一般参加者7名に加え、双翅目談話会のグループ16名に調査のご協力をいただきました。双翅目談話会は日本で唯一の昆虫のハエ目の同好会で、日本全国の様々な研究成果を公開し、県のレッドデータに関わる調査などにも協力している団体です。その参加者の中には、北では北海道、西では山口県からもお越し頂いており、ハナアブ科だけでなくハエ目のその他の様々なグループを専門とされている方々が集まりました。2020年6月13日に小学生の参加者により発見された新種の可能性のあるハナアブの再発見を含め、雪国のハエ目相の新発見に期待が高まります。
天気は良すぎるくらいの晴れで気温も高く、ハナアブにとってはまずまずの条件でした。皆様の多くの協力のお陰で、過去最高のハナアブ科21種が採集されました。ハナアブしらべの一般参加者により採集されたハナアブには最後に〇をつけてあります。
- キンアリノスアブ〇
- クロハナアブsp.
- シロスジベッコウハナアブ
- アシマダラツヤタマヒラタアブ
- コハナダカチビハナアブ
- キョウコシマハナアブ〇
- カクモンハラブトハナアブ〇
- マツムラハラブトハナアブ〇
- シロスジナガハナアブ
- ハラアカハラナガハナアブ〇
- ヨツモンハラナガハナアブ
- ナミルリイロハラナガナハアブ〇
- ホソヒラタアブ〇
- クロヒラタアブsp.
- ホソヒメヒラタアブ〇
- ミナミヒメヒラタアブ〇
- ツマグロコシボソハナアブ〇
- マダラコシボソハナアブ〇
- ツヤヒラタアブ〇
- ナミヒラアシヒラタアブ〇
- キアシマメヒラタアブ〇
キョロロ一般参加者採集のハナアブの写真は以下の通りです。
今回松之山から未記録のハナアブや例の新種の可能性のあるハナアブは確認されませんでしたが、これまで採集例の少ない種の多くが専門家により採集されており、これが過去最高の種数に大きく貢献したように思います。さすが専門家の技はすごい、としか言いようがありません。また、キョロロ一般参加者も負けず劣らずと、専門家が採集していない種を何種か採集していました。18日には双翅目談話会の一部の方々で、午前中にキョロロの森、午後に天水山の方で採集されたので、種数はさらに増えそうです。
今回は双翅目談話会と初めての合同調査となりましたが、専門家の力を借り、大人数で調査をすることで、調査の精度が高まるということを肌で感じる回となりました。また、専門家それぞれのハエの知識や採集方法の工夫などを教えていただいたり、目にしたりと、非常に勉強になる回でもありました。これらの学んだことを生かして、より精度の高い調査ができるよう今後も努め、松之山の自然の理解を深めていければと思います。この度ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。