【企画展特別企画第3弾!】舘野鴻さんスケッチ教室&トークショー(7月)
土曜日, 7月 1st, 2023今回で3回目となった舘野鴻さんのトークショーです。春季企画展「舘野鴻絵本原画展 うまれて しんで、-めぐる命のものがたり-」のスペシャル企画の第3弾です。第1弾では筑波大学の出川洋介先生をお招きし、第2弾では北海道大学所属・昆虫はかせネットワーク代表の鈴木誠治さんをゲストにお招きしました。そして今回は、福島大学の兼子伸吾先生をお招きしました。兼子先生は大平研究員の師匠で、保全生態学・分子生態学がご専門です。絶滅危惧の植物や、咲かない植物、光合成をやめた植物、シカやイノシシなどの哺乳類、ナナフシやカニムシなどの節足動物、ナメコなどの菌類…等々、様々な生き物のDNAを調べて研究されています。
雨っぷりの天気で午前中の観察会をどうしようか悩んでいたところ、舘野さんのご厚意で、スケッチ教室を開催することになりました。題材はキョロロ所蔵の標本や剥製です。皆さん描きたい題材を選び、色鉛筆をつかってスケッチしていただきました。そして、なんと、舘野さんだけではなく、なかの真美さん、近藤えりさん、かわしまはるこさんにも加わっていただき、なんと絵本作家4名による豪華なスケッチ教室です。さらに、参加された方は舘野さんにリクエストをして一枚絵を描いてもらえる!というプレゼント付き。すごい!のほかに言葉が出ません。
▲スケッチしている様子
▲参加者からリクエストされたオオセンチコガネを描く舘野さん
午後は舘野さんと兼子先生のトークショーです。舘野さんと兼子先生は今回が初対面。しかし、トークを始めると・・・いくつも共通点が!どんどんトークは盛り上がっていき、小笠原の希少種の話や外来種の話、咲かないランの話、奈良のシカにまつわる話など、いくつも興味深い話題が展開されていきます。そのなかで地域の自然や生物多様性の未来を考えるヒントが出てきました。例えば、「過去の人々はそのときの知見のもとでベストを尽くしたのだから、その経験・反省を活かして私たちは今できるベストを尽くさなくてはいけない」ことや、「1000年後の未来を考えて行動することは不可能ではない」こと、「他人事ではなく自分事として考え、取り組まなくてはいけない」ことなど。面白くて、そして考えさせらえるトークショーになったと思います。ありがとうございました。
▲舘野鴻さん
▲兼子伸吾先生
さて、この第3弾をもって、春企画展「舘野鴻絵本原画展 うまれて しんで、-めぐる命のものがたり-」のスペシャル企画は無事終了となります。キョロロ友の会会員の皆様には、キョロロのYouTubeチャンネルで限定公開を予定しております。参加できなかった会員の方もご覧になれます。次号の友の会だよりでお知らせする予定なので、少々お待ちください。また、春企画展もまもなく閉幕です(7/9まで)。まだご覧になっていない皆様、キョロロへのお越しをお待ちしております!