2020年から続いているハナアブしらべは、今年度から初めての試みで冬季にも実施しています。松之山では既に2回ほど積雪があり、ハナアブ採集はこれからのシーズンでは極めて困難ですので、冬季は室内で顕微鏡を用いたハナアブの同定方法について学びます。今回の12月3日の回はその初回でしたので、ハナアブしらべなどの市民参加型調査のベースになっている分類学や学名の重要性について簡単に楽しく紹介しました。その後はハエ目からハナアブ科までのそれぞれの分類群レベルでの特徴を紹介し、最後にハナアブ科からその4亜科への分類方法について説明しました。
ここから作業開始で、松之山で採集されたハナアブ科10種(+比較用にハナアブ科ではないハエ目1種)の標本を渡し、顕微鏡を用いて形態の細部の観察と亜科への分類に挑戦していただきました。一般的に小学生にはレベルの高すぎる内容ですので、苦戦している様子も多く見られましたが、確認すべきポイントを見せて一つ一つ説明すれば理解してくれるようでした。あとは、いかに様々な標本を見続けて見慣れるか、という点が重要かと思います。
このような顕微鏡を用いた分類は、ハナアブに限らず、ほとんどの昆虫で使える基本的な技術です。ハナアブでなくても、昆虫の種を調べる技術を学びたいという方も大歓迎です。次回は年明け後の1月14日(日)の10:00~12:00に実施いたします。この頃には松之山はすっかり雪景色になっていると思いますが、皆様のご参加をお待ちしております。 今回ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。