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6/12ハナアブしらべの結果報告

月曜日, 6月 14th, 2021

 「森の学校」キョロロでは6月12日(土)に市民協働調査「ハナアブしらべ」を行いました。気温は高く、ハナアブ以外にも大型のチョウやトンボなど様々な昆虫も飛び始めていました。探し求めている新種の可能性が高いあの珍しいハナアブはちょうど去年の6月に発見されたので期待が高まります。

 時折現れる大型の昆虫・カエル・魚などに誘惑されながらも、親子ともに無我夢中でハナアブを追いかけて頂きました。途中MS君が珍しいガガンボを採集してくれて大変喜びました、ありがとうございました。ガガンボにしては大きくて派手な模様のPedicia subtransversa triacanthaという和名のないガガンボで、記録上は1954-1955年に新潟県三条市・糸魚川市で採集された3個体、2000年栃木県で採集された1個体のみが知られます(そもそも調査・報告例が極めて少ないことも原因です)。私もこのシーズンにこれまで8年ほど全国的に調査をしてきましたが、キョロロで初めて確認でき、去年から3個体のみ(去年2個体)しか見ていませんでした。去年は1~2週間に1回のペースで調査してでの2個体のみだったで、個体数も少なく、発生時期も短く、分布も限られている珍しいガガンボのように思います。

 話がそれましたが、今回のハナアブしらべでは参加者8名で以下の10種26個体のハナアブをキョロロ周辺で採集することができました。

①ミナミヒメヒラタアブ 6♂5♀

②ホソヒラタアブ 2♀

③キアシマメヒラタアブ 3♂

④シロスジナガハナアブ 1♀ 去年未確認(十日町市未記録)!

⑤ヨツモンハラナガハナアブ 1♂1♀ 去年未確認(十日町市未記録)!

⑥ハラアカハラナガハナアブ 2♂ 

⑦キヒゲアシブトハナアブ 1♀ 去年未確認(新潟県未記録)!(下の2個体はイベント外)

⑧キンアリノスアブ 2♀

⑨アリノスアブ 1♂

⑩ツヤヒラタアブ属の1種 1♀ *メスのみで同定困難

 まだ肌寒かった前回の5月のハナアブしらべでは3種9個体のみでしたが、これと比べると種数・個体数ともに3倍近くに増えました。個体数については同じ種だと見分けて見逃したものも多かったそうなので、さらに多くのハナアブがいたことになります。そしてなんと今回も去年松之山で採集できなかったハナアブが3種も採れました。④のシロスジナガハナアブはぱっと見はアシナガバチのようなかっこいい種で十日町市レベルで未記録のハナアブです(K君採集)。⑤のヨツモンハラナガハナアブも十日町市レベルで未記録(K君・O君採集)。⑦のキヒゲアシブトハナアブはなんと新潟県レベルで未記録です(K君採集)。このハナアブはイベントとは関係なく6月中に自主的に調査に来てくださったMご一家も2個体採集してくれました。これで松之山で確認された種数は合計42種となり、着実に増えております。ご参加いただいた皆様誠にありがとうございました。

 例の新種の可能性大のハナアブは今回残念ながら見つかりませんでしたが、ここ1週間~2週間の間のクリの花が咲くころに最大のチャンスが訪れるのではないかと考えています(梅雨の時期と重なりそうで困ります・・・)。去年6月下旬にクリの花に多くのハナアブ・ハチ・チョウなどが来ているのを確認しているためです。次のハナアブしらべは7月10日(土)ですが、クリの花の時期はおそらく過ぎているため、自主的にも調査していただければ嬉しいです。私も気合を入れて見張るつもりです。次回のご参加をお待ちしております。