今年の標本づくり第一弾!鱗粉転写標本づくり

今年もキョロロでは様々な標本の作り方を紹介するイベントを開催します。今年度の標本づくりの第一弾はゴールデンウィーク後半初日である5月3日(金)に開催。様々な里山のチョウ(またはガ)の翅上の鱗粉を紙に写し取る標本、「鱗粉転写標本」を参加者と一緒に作成しました。


材料となるチョウの鱗粉について講師が解説した後、チョウを選んで標本づくり開始。春に現れるチョウの代表格であるギフチョウを中心とした様々なチョウやガから標本の材料を選びました。

まずは標本に必要なチョウの翅を体から翅を切り落とします。繊細な翅を傷つけないようにピンセットで慎重に切り離します。


次にロウを塗ったケント紙で挟んでクルミの殻やトチの実で紙の上から翅を強くこすると、鱗粉が紙の上に写し取られます。コツはロウを紙に満遍なく塗ることとこするときに紙を動かさないこと。上手く転写できれば美しいチョウの翅の模様が紙上に現れます。


転写出来たら最後にラベルを書いてラミネートして完成!

鱗粉転写標本は保管が簡単で、特別な道具が無くても作れる標本です。チョウしか標本にできない欠点はありますが、「生き物を採集し、どんな生き物がいたのかを記録として遺す」という標本づくりの重要なポイントを学ぶ第一歩として手を出しやすい標本です。興味がありましたら是非夏休みの自由研究で作ってみてはいかがでしょうか。

【里山体験プログラム】山菜さがし(1回目)

本日は、里山体験プログラムの一環として、春の山菜さがしを開催しました。今回は、松之山地域の文化に詳しい佐藤一善さんをおよびして、参加者の皆様と一緒に春の山菜を味わいながら学びました。

スーパーで気軽に野菜を買えない時代、山ですぐ採れる山菜は、重要な食べ物でした。また現在でも、独特な味や栄養価など、その魅力は尽きません。そんな山菜を探しに、キョロロの森に出かけます。

道端や田んぼの畔にも、食べられる草がいっぱい。スイバの茎は、皮を剥いてかじると、みずみずしい酸っぱさが広がります(ただしシュウ酸を多く含むので、生で多く食べないようにしましょう)。

山菜の代表格であるウド。新芽や茎はもちろんのこと、茎の皮はキンピラにして余すところ無く食べられます。

探索の最後は、みんなで集めた山菜を天ぷらにして味わいました。

それぞれの山菜にそれぞれの食感・味・香りがあり、五感を使って植物を堪能しました。

どの植物をなんと呼び、どう食べるのかは、地方・地域によって違います。芽吹きの季節、毒をもつ植物に気を付けながら、地域の植物と文化を味わってみましょう。

食べた植物(松之山での俗名):ゼンマイ、クサソテツ(こごみ)、スギナ、カラムシ(おぐさ)、ヨモギ、フキ、アサツキ、スイバ、イタドリ(すかんぽ)、カキドオシ、トリアシショウマ、オオバクロモジの若葉、ウド、タラノキの新芽、コシアブラの新芽、リョウブの新芽、ヤマグワの新芽、ミツバアケビの新芽、フジの花、ユキツバキの花

WANTED!新種キョロロコケヒメガガンボを探せ!【2024年国際博物館の日記念事業】

【2024年国際博物館の日記念事業】
「森の学校」キョロロでは、国際博物館会議(ICOM)の制定する「国際博物館の日」(5月18日)記念事業として、2023年に新種記載された「キョロロコケヒメガガンボ」に関するイベント・講演会・ミニ展示を開催します。

<イベント・講演会>
①イベント「新種キョロロコケヒメガガンボを探せ!」
【日時】令和6年5月25日(土)午前10時30分~正午
【講師】加藤大智 博士(元キョロロ研究員)
【定員】20名 ※事前申込必要
【参加費】無料
【主催】「森の学校」キョロロ友の会
【内容】3個体の発見例のみの本種を、キョロロの森を会場に参加者と探索します。

②講演会「新種キョロロコケヒメガガンボ、発見秘話!」
【日時】令和6年5月25日(土)午後1時30分~2時30分
【講師】加藤大智 博士(元キョロロ研究員)
【定員】30名 ※要入館料(一般600円、中学生以下無料)
【その他】YouTubeライブによる配信予定。詳細は今後HPに掲載。

<ミニ展示>「キョロロの学びと研究」
会期:令和6年5月18日(土)~26日(日)
内容:2024年「国際博物館の日」のテーマは“Museums for Education and Research”「学びと研究のための博物館」です。 自然科学館としてキョロロがこれまでに実施してきた教育普及活動や研究活動について、標本やパネルで紹介します。


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