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【プレスリリース】十日町市松之山で4種目の新種ガガンボが記載されました

月曜日, 8月 15th, 2022

十日町市松之山の天水山のブナ林で採集されたヒメガガンボ科の昆虫が、「森の学校」キョロロの加藤大智研究員(専門:ハエ目の分類学)により新種 Atypophthalmus hymenophallus として記載されました。キョロロからは5種目の新種の発見となります。

1.論文概要
・発表雑誌:Euroasian Entomological Journal(昆虫やその他陸上節足動物の研究に関するロシアの国際学術雑誌)
・発表日時:2022年8月9日
・論文タイトル:Synopsis of the genus Atypophthalmus Brunetti, 1911 (Diptera: Limoniidae) of Japan.
(日本のAtypophthalmus属(ハエ目:ヒメガガンボ科)の概要)
<論文URL http://www.eco.nsc.ru/eej/eej_2022_21_3.html >

・著者:加藤大智(十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ研究員)

2.新種概要
・十日町市を含め、国内各地の標本を調査し、ヒメガガンボ科Atypophthalmus属の2新種を記載。詳細な形態比較や国内外の研究機関が収蔵する標本調査を経て、雄交尾器の特徴からAtypophthalmus hymenophallusと命名。
・十日町市での採集地は松之山の天水山の標高900m付近のブナ林付近。本種は本州から西表島まで広く生息し、本種の新潟県の記録は現状分布の北限にあたる。
Atypophthalmus属の新種が論文掲載されたのは国内で1971年以来51年ぶり。論文では本種と奄美から沖縄本島に分布する種の2種を新種として記載。
・キョロロ研究員・学芸員による十日町産新種記載は、2005年のマツノヤマヒメコケムシの発見から5種目。キョロロの一連の新種発見は、ごく限られた特定の昆虫の仲間であっても身近な自然で新種が次々と見つかる可能性を示す好例。展示公開や環境教育活動での活用と共に、地域の自然環境の保全や生物多様性の理解の深化を期待。


【つる植物の花々や実を観察】8月の花ごよみしらべ

月曜日, 8月 15th, 2022

8/13(土)に8月の「花ごよみしらべ」を開催しました。
夏の花々と共に、秋を感じさせる花々も観察でき、今回は33種の開花した植物を観察することができました。
実を付けつつある植物もちらほら。特に花や実をつける多様なつる植物が印象的でした。

オニドコロの雌花(雌株)

シロバナカモメヅル
星?ヒトデ?のように見える花を付けます。

イケマ

ヘクソカズラ

ヤマノイモの雄花(雄株)

クズ
クレーブジュースのような甘い香りが漂っていました。秋の七草にも数えられています。

ノブドウの実が色付きはじめました

多様なつる植物の花や実を観察することができました。

ミズタマソウの実

ヌスビトハギ
花と種子両方を観察することができました。

オトコエシ

今回は33種の開花した植物を記録しました。
里山は夏の花々と共に、徐々に秋の花々に移り変わってきています。
暑い中でしたが木陰を選び歩きながら、季節の花の移ろいを楽しむことができました。次回は9月10日(土)の開催です。