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去年5月に話題となった黄色いツチガエルは今・・・

水曜日, 8月 10th, 2022

 去年の5月に松之山の小学生が黄色いツチガエルを発見したニュースが県内の多くの報道機関で報道されたのを皆さん覚えていますでしょうか。ツチガエルは通常、こげ茶色でイボイボ した体表が特徴のカエルですが、このカエルは綺麗な黄色で、目の色素は正常に近く、体のイボがほとんどない個体であるという点で、複数の専門家からも珍しいと評価を受けました。

 このカエルはさらに面白いことに、去年7月発行の友の会だより75号の記事でも紹介した通り、色素が徐々に回復していき、約一か月経過すると特に脚で茶色い斑点が明らかに増えているのが確認されました。

 展示期間が終了した後は、このカエルは研究のため広島大学両生類研究センターに送られました。その後の様子はしばらく不明なままでした。

 そこで約1年後、直接広島大学の三浦先生に連絡を取ってみたところ、あのツチガエルの現在の様子の写真を快く送っていただきました。そこに映っていたのはとても同じ個体とは思えない色をしたカエルでした。しかし、よく見てみると脇や目の周辺に黄色い部分がまだ残っている点、背中のイボがほとんどない点などから、あの個体で間違いなさそうです。茶色い部分がさらに増えていたのです。そして今でも元気にしているようでうれしい限りです。もう一年もしたら全身茶色のカエルになっているかもしれませんね。

 黄色い色素異常のカエルといっても、このカエルのように色素が回復するタイプ、そうでないタイプ、目の色素が正常/異常なタイプなど、様々なタイプが知られています。色素異常のカエルを発見するだけでも珍しくてうれしくなりますが、飼育してみたり、細かいところを観察してみたりするともっと面白い発見があるかもしれません。