Archive for 1月 11th, 2026

【雪里の小正月の伝統行事】若木迎え・どんど焼き・花餅飾り2026

日曜日, 1月 11th, 2026

小正月の伝統行事イベント「若木迎え・どんど焼き・花餅かざり」を1/11(日)に開催しました。
新年の恵みを祈り、家内安全・無病息災を祈る、雪里松之山の小正月の伝統行事です。
キョロロでは自然のめぐみを展示やイベント、研究活動等様々な博物館活動に活用しています。自然のめぐみに感謝する小正月の伝統行事を、毎年参加者と地域の皆さんと共に継承し開催しています。
予報では大雪・吹雪の天気予報でしたが、イベント中は晴れ間が広がり太陽も顔をのぞかせてくれました!

まずは「若木迎え」をキョロロの森で行いました。みなさんスノーシューを装着して、森に向かってさぁ出発です!
積雪150cmほどの雪景色の中を歩き、森へ向かいます!


若木迎えは約50年ほど前まで松之山の各集落で行われてきましたが、薪を燃料として使わなくなった現在では行われなくなり、地域内で一度途絶えた伝統行事です。
今では市史や文献などでしか垣間見ることができないこの伝統行事ですが、キョロロでは体験イベントとして復活・開催し、住民と参加者との交流を通して継承しています。
今年の恵方(南南東やや東)に向かって祭壇を作り、旧年の感謝と新年の恵みを祈念しました。

その後、周辺の若木、枝を伐りました。積雪150cmほどの雪の上に顔を出したリョウブ、ウワミズザクラなどの木々を伐ることができました。
若木迎えは「木伐り正月」とも呼ばれ、1/11~14の間に行われることが多かったそうです。

伐った枝をもって、森を後にします。


若木迎えで伐ってきた枝を囲炉裏で燃やして煙を浴びると若返る、体が丈夫になるという言い習わしがあります。
イベントでは伐ってきた木を、藁でつくった賽の神に刺し入れ、いっしょに燃やします。
年男・年女の方、厄年の方を中心に点火していただき、豪快に燃え上がるサイノカミです。

今年も豪快に炎に包まれ、藁もきれいに燃え落ちました。材料はキョロロの田んぼの藁です。
けむりと共に舞い上がった黒い藁の燃えカスが、雪の上に刺さると不作、横に落ちると豊作という言い習わしがあります。
今日の燃えカスは全て横向きに落ちてきましたので、今年は豊作間違いなしですね!
今年もスルメやニシンを焼いていただき味わいました。


その後館内に移動し、花餅かざりを作りました。
今年も5色の花餅を用意しました。雪に覆われ花のないこの時期に行われてきた小正月の伝統行事です。

まずは参加者全員でミズキ(ダンゴの木)の枝先に花餅や飾りの煎餅を飾り、展示用の花餅飾りを作りました。
枝いっぱいについた花餅。館内はまるで花が咲いたような晴れやかな雰囲気になりました!



その後、お持ち帰り用の花餅飾りをご家族ごとに作りました。
みなさん各々素敵な花餅飾りが完成しました!枝先に色とりどりの花が咲いたようですね!


今年も地域内外のたくさんの皆様からご参加いただきました。
事前準備には友の会の皆さまからご協力いただきました。大変ありがとうございました。
今年も無事に小正月の伝統行事体験イベントを開催することができました。
良い年になりますよう、雪里松之山からお祈り申し上げます。

チョウの色を写しどり!鱗粉転写標本づくり体験を開催しました

日曜日, 1月 11th, 2026

里山の野山を舞う美しいチョウたち。その翅(はね)の模様は表面にある「鱗粉(りんぷん)」によってつくられています。
チョウの翅の模様はチョウの種を同定するための重要な手がかりであり、チョウの標本を作る際は必ず翅の模様が一目で観察できるようにします。標本箱の中に整然と並んだチョウの標本は芸術作品にも通じる美しさがあります。一方でチョウは昆虫の中でも標本にすることが難しく、初心者には手が出しづらいグループです。同定に必要なチョウの翅の鱗粉だけを紙に写しとる鱗粉転写標本は作製が難しいチョウの標本を簡便に作る方法の一つとして知られています。「森の学校」キョロロでは1月10日(土)に、昆虫標本づくりの入門編としてチョウの鱗粉転写標本を作製する体験イベントを開催しました。

イベント冒頭ではチョウの鱗粉や標本を作る意味についてキョロロの研究員から解説した後に、キアゲハなどのチョウを材料に鱗粉転写標本の作製にチャレンジしました。最初のステップはチョウから翅を切り取りから。
翅から鱗粉を剥がさない様に、ピンセットを使って慎重に胴体から翅を切り取ります。切り取った翅は息を吐くだけで飛んでしまうほどの軽さ。表裏(背腹面)や前後(前翅・後翅)がバラバラにならない様に気を付けます。

切り取った翅を蝋を塗布した表面が滑らかな厚紙で挟み、紙の上から擦ることで鱗粉を厚紙へ貼り付けます。挟んだ後は動かさない様に擦ることが綺麗に転写するコツ。硬いオニグルミの殻はその丸みがこの作業にピッタリでした。

厚紙を開く瞬間には緊張が走ります。上手く転写できれば翅の模様がそのまま厚紙へと転写され、透明なチョウの翅が残ります。

転写した鱗粉は翅の形に切り取って台紙に貼り付けます。標本に最も重要な採集情報も書き込んで、最後にラミネートすれば完成!
綺麗なキアゲハの鱗粉転写標本ができました。

鱗粉転写標本は翅の表裏両面の模様を同時に観察できるだけでなく、その並べ方も自由にできることが面白い点です。今回は元になったチョウを再現するように鱗粉を並べましたが、異なる個体の翅の表面や裏面だけを並べるといった方法をとることもできます。通常の標本ではできないチョウの標本コレクションを鱗粉転写標本で作っても楽しいかもしれません。鱗粉転写標本に必要な材料は標本となるチョウの他に、鱗粉を写しとるための表面が滑らかな厚紙(ケント紙など)、鱗粉を紙に貼り付けるための蝋などです。採集したチョウはすぐに標本にできなくとも、ラベルを書いて乾燥剤・防虫剤と一緒に三角紙で保管しておけばよいので本格的な標本よりもずっと気軽に始めることができます。チョウは春になればすぐに飛び始めます。夏休みの自由研究に向けて今から鱗粉転写標本の計画を始めてみてはいかがでしょうか。