2022年7月ハナアブしらべの活動報告
火曜日, 7月 19th, 20227月のハナアブしらべは16日、2回目となる天水山付近で実施されました。ここ連日の不安定な雨の多い天気でしたが、この日は運よく雨に降られることなく調査ができました。一か月前に聞こえたエゾハルゼミもまだ盛んに鳴いていました。今回は12名の方にご参加いただきました。
今回の調査の結果、8種のハナアブ科が採集されました。種数は思いのほかそれほど多くはなかったものの、採集個体数は多く、ついに1ケースには収まらないほどになりました。そして今回は松之山初確認の種、タカサゴハラブトハナアブがKR君により採集されました。また、コハナダカチビハナアブはハナアブしらべで初めて採集された種でした。今回採集された種は以下の通りです。番号がないものはハナアブ科ではない採集物です。
①タカサゴハラブトハナアブ 1♀(松之山初確認;十日町市未記録)
②ナミルリイロハラナガハナアブ 1♂
③ミナミヒメヒラタアブ 11♂8♀
④キアシマメヒラタアブ 15♂5♀
⑤コハナダカチビハナアブ 1♂1♀
⑥ホソヒラタアブ 1♂1♀
⑦クロヒラタアブ? 2♀
⑧マダラコシボソハナアブ 1♂
各種の個体数を見ての通り、ミナミヒメヒラタアブとキアシマメヒラタアブは非常に多くの個体が観察されました。後者は体長5mm以下の小型種で、肉眼で見ると黒い小さな物体でしかありませんが、皆さんのハナアブ識別能力がいかにレベルアップしているかが分かります。そして今回松之山初確認となったタカサゴハラブトハナアブは十日町市レベルで未記録の種でした。これによって松之山で確認された種数は84種となりました。
そして今回も子供たちを賑わせたのはハナアブではなく、オニヤンマやコヤマトンボなどの大型のトンボでした。大型のトンボは広い縄張りを巡回していることが多く、開けた道にそって多くの個体が優雅に飛んでいました。調査後半では、参加者自身で採集されたり、子供たちにお願いされて採集したりとしているとたくさんの大型トンボが集まってしまいました。私も気づけばそれに夢中になっていました。最後にはオニヤンマなど持って素晴らしい笑顔を見せてくれました。
このような寄り道もありますが、ハナアブしらべは参加者とともに松之山に生息するハナアブ科を定期的に調査して貴重な自然資料として標本を残し、分類研究が十分ではない日本のハナアブ研究に貢献することを目的としたイベントです。研究が遅れている分、新発見に溢れたイベントです。次回も皆様のご参加をお待ちしております。今回ご参加いただいた皆様誠にありがとうございました!