Archive for the '③イベントだより' Category

【春を呼ぶ雪上のキャンバス】まつのやま学園自然科学部

金曜日, 4月 25th, 2025
\自然科学部tの活動で燻炭撒き/
キョロロではまつのやま学園と連携し、キョロロを舞台に自然科学部の活動を展開しています。
週3回放課後の1時間、里山の自然を自然科学の視点で探究し楽しんでいます!

4/18の活動では、田んぼの雪上にもみ殻燻炭を撒く「雪消し」を行いました。
「雪消し」は雪深い里山に春を告げる風物詩です。


黒い燻炭は太陽光を効率よく吸収し、雪の表面温度を上げて融雪を早めます。
また、撒かれた燻炭はやがて田んぼの土に還り、稲作に活かされることから、田んぼの資源循環の理解にもつながります。
里山の生業の中に息づく科学を、籾殻の燻炭から体験を通じて学びました。

一面の雪に思い思いの模様を描いた「燻炭アート」は、里山ならではの春のキャンバス。
「キョロロ」「自然科学部」といった文字、足跡やイラストなど、思い思いの模様を燻炭で表現しました。


—-まつのやま学園「雪里留学」—–
キョロロの近くにある小中一貫まつのやま学園では、里山の豊かな教育資源を活用した自然体験や生活体験に根ざした、特色ある学習活動や教育活動を展開しています。子どもたちの「豊かに生きる力」を育むことを目指した学区外・区域外からの就学制度「雪里留学」をスタートし、雪里留学生として児童・生徒を広く募集・受け入れています。1週間程度のお試し就学も出来るので、自然環境を活かしたカリキュラムを体験することもできます。キョロロでは理科や総合的な学習の時間、緑の少年団活動、自然科学部や探鳥会の活動などの教育活動を連携して展開しています。

こども探鳥会の報告(4月)と定例探鳥会(4月)のご案内

木曜日, 4月 24th, 2025

2025年度第1回こども探鳥会の報告

日時:令和7年4月12日(土)午前8時~9時30分
天気:曇り、開始時の気温4℃
参加者:大人14人、中学生2人、小学生9人

冷え込んだ曇り空のもとで2025年の第1回こども探鳥会を開催しました。積雪深がまだ210㎝を超える大雪の年、グラウンドにも駐車場の排雪が高く積まれていました。校庭のサクラは開花間近で、ハクモクレンは咲き始めていました。ツバメが飛び交い、ホオジロの囀りが聞こえ、スズメが桜の枝に見え隠れしていました。時々アオゲラがピョーと、キジバトがデデッポッポーと鳴いていました。夏鳥のサシバとニュウナイスズメが確認できました。こどもたちが地域の自然にどっぷりとつかり、野鳥観察を通して自然のしくみの巧みさや美しさ、不思議さを味わった探鳥会でした。

確認できた鳥(16種):キジバト、サシバ、アオゲラ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、ニュウナイスズメ、キセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ

 

当日撮影された野鳥


▲サシバ


▲アオゲラ


▲ムクドリ


▲ツバメ


▲探鳥会開始時の様子 3mを超える排雪した雪が残っているグラウンド


▲野鳥観察をする参加者

 

4月の定例探鳥会のご案内

松之山野鳥愛護会と「森の学校」キョロロが協働で開催する、松之山地域の野鳥相を調査する定例探鳥会を今年度も毎月第4土曜日に開催いたします。見つかる野鳥が冬鳥から夏鳥へ移り変わるようになり、様々な野鳥のさえずりが聞こえる季節となりました。ぜひ皆様もご参加いただき、一緒に松之山の野鳥に親しんでみませんか?もちろん初心者歓迎ですので、野鳥について新しく知りたいと考えている方もぜひご参加ください。

【日 時】令和7年4月26日(土)午前5時〜8時
【集合地】「森の学校」キョロロ駐車場
【日 程】5:00 探鳥会開始
     7:50 鳥合わせ・情報交換
     8:00 終了予定

 

最近撮影された野鳥


▲キジバト


▲アオサギ


▲アオサギのコロニー(集団営巣地)


▲サシバ


▲アオゲラ


▲カケス


▲ヒヨドリ


▲メジロ


▲モズ

『里山の生き物サポーターズ2025』第1回「山開き点検&ボイ伐り・ツル伐り」

土曜日, 4月 19th, 2025

『里山の生き物サポーターズ』は、キョロロの森(生物多様性保全上重要な里地里山[環境省])を舞台に、参加者の皆さんと協働で里山環境を整備し、その保全を目指す体験イベントです。今年もこの森を舞台に、多様な生き物が暮らし、子どもたちの自然との出会いや発見があふれる学びの場となるような里山環境を、皆さんと一緒に育んでいきたいと考えています。

とくに今年は、雪里(雪国の里山)にまつわる様々な仕事や行事に沿ったかたちで、活動を進めていきたいと思います。皆さんと一緒に自然と向き合い、汗をかき、そしてキョロロの森の未来を共有しながら、フィールドミュージアムを共に作っていきたいと思っています。今年も皆さまのご支援とご協力をどうぞよろしくお願いします!

 

<第1回(2025年)のご案内>
日時:4月26日(土)10:00~12:00
内容:山開き点検&ボイ伐り・ツル伐り
定員:20名
まだ雪がたくさん残っていますが、キョロロの森のなかを歩いて、危険箇所などを点検するとともに、低木伐り(ボイ伐り)やツル伐りを予定しています。ご協力いただける方のご参加、お待ちしております!

 



▲ 雪里と様々な仕事

 

\『里山の生き物サポーターズ』とは?/

キョロロ周辺の里山環境を保全する活動です。

里山は、人家、農地、そして生活資源を得るための野山を含めた環境です。昔は、暮らしを営むうえで欠かせない持続可能な資源であり財産でした。かつての里山では、水や木材はもちろん、食料や燃料、肥料といった生活に欠かせない資源を全て里山から得ていました。人々の生活、仕事、文化行事の中で、木を伐る・草を刈るといった定期的な人の関わりが行われ、こうした人の営みが結果として多様な環境を生み出し、里山の様々な生き物が暮らす環境を形づくってきました。

近年では、里山から資源を得ることは少なくなりましたが、キョロロでは周辺の森を「フィールドミュージアム」として位置づけ、子ども達の自然体験や環境教育、研究フィールドなど、教育資源として活用しています。2023年にはこの森から新種「キョロロコケヒメガガンボ」が発見されたことも記憶に新しいです。雪里(雪国の里山)には、雪国ならではの様々な作業や自然への働きかけがあります。人口減少が進む中で、人の手によって里山を維持し続ける作業は地道で大変ですが、『里山の生き物サポーターズ』では、そうした地域特有の作業や手入れを実際に体験していただきながら、自然と共に生きることの意味や、人の営みが自然を支えるという関係性を、感じていただくことを大切にしています。

現在、全国の里山では、過疎化による管理不足、オーバーツーリズムを含む過剰な利用、外来種の侵入、気候変動など、複合的な要因によって里山環境を維持していくのが大変になってきています。キョロロの里山も例外ではなく、アメリカザリガニの侵入ホテイアオイの遺棄といった外来種問題、希少な野鳥撮影を目的とした過剰なツーリズムといった問題が増えてきています。

今後もキョロロが自然教育や体験を提供していくために、皆さんからキョロロを応援していただき、一緒にキョロロとその周辺の里山をまもっていきたいと思います。


▲ため池のかいぼり(2024年10月)



▲間伐体験と昆虫ハウスづくり(2022年6月)


▲ヒシ採りで開放水面づくり(2021年9月)


▲特定外来生物オオハンゴンソウの駆除実験(2024年6月)

また、雪里(=雪国の里山)について、より詳しく知りたい方は『雪里〜世界一の雪が育んだ里山〜雪・森・農のめぐみとつながりを考えるシリーズ5』(キョロロ発行・無料でPDFをダウンロード)をご覧ください。